Q&A961 カウフマンとピルの違いは? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2015.5.17「Q&A695 AMH<0.1、FSH 100、原発性無月経」の記事をみて、偶然にも同じような状況の方で、どうしてもお尋ねしたいことがあります。

私も原発性無月経で、22歳の頃FSH90と高く、カウフマン療法を続け、徐々にFSHが低下しており、現在29歳でFSH17ほどです。そこで病院の先生に「良くなって下がっているか、卵巣が疲弊して下がっているのか分からない。カウフマン療法よりピルの方が強いからピルにしよう。」と言われ、今月からラベルフィーユ28を飲んでいます。そこで専門家の先生に質問です。
①卵巣が疲弊する(受容体が無くなる)事によって、FSHが低下する事があるのか。
②カウフマン療法よりピルが良いのか。

A カウフマンよりもピルの方がホルモン量が少ないですが、カウフマンとピルには大きな違いはありません。どちらもエストロゲン製剤とプロゲステロン製剤からなりますが、FSHが高い場合にはエストロゲン製剤単独の方が効果的です。プロゲステロン製剤が入ると、かえってFSHが高くなることがあります。
A1 卵巣が疲弊すると、FSHは高くなるのではないかと思います。
A2 カウフマンもピルもFSHの低下を狙った治療としては良くありません。
現在の治療方針は、全て逆効果のような気が致します。