Q&A827 息子が遊走精巣です | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 息子が健診にて遊走精巣(移動性精巣)と指摘されました。
ネットで調べると将来不妊の可能性もある為、幼児のうちに手術をして陰嚢を正しい位置へ戻してやる必要があるとのこと。息子の陰嚢は1日のうちのほとんどの時間はお腹の中に上がってしまっていて正しい位置に降りてくるのはお風呂上がりのリラックスした時だけです。
その後、別の件で総合病院の小児科に受診する機会があり遊走精巣について相談をしましたが、その病院では停留精巣でない限りは手術はしないと断言されてしまいました。私達、夫婦は不妊で長年悩んで参りましたので息子に同じ想いはさせたくありません。遊走精巣の場合、本当に手術しなくても大丈夫なのでしょうか。

A 診察してみないとわからない部分もありますから、あくまでも文面の情報のみから記載します。
1日のうちほとんどの時間で、精巣が腹腔内にあるのでしたら、停留精巣に近い状態ですので、手術がお勧めだと思います。精巣は温度に弱いため、外に出しておく必要があります。

小児科の先生方にとって、小児の精巣の触診は結構難しいのではないかと思います。小児科医ではなく、泌尿器科医の診察を受けてみることをお勧め致します。