Q&A771 自然周期融解胚移植で卵胞が発育しません | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 第2子の凍結胚移植をトライしています
第1子の時は、プラノバール使用のホルモン補充移植の1回目で妊娠出産まで出来ました。
今回、凍結胚盤胞移植をしましたが、薬がプロギノーバに変わっており、切り替え後はプロギノーバ+デュファストン+膣座薬でした。グレード等は教えてくれない病院ですが、いい胚とのことで内膜も充分厚かったのに、陰性に終わってしまいました。
現在2回目に挑戦なのですが、今回は自然周期でいってみようと先生に言われ、生理3日目からセキソビットを1週間飲んだのみです。私は元々排卵まですごく時間がかかるので、予定もたたないし、自然周期に対して不安があったのですが、案の定D16の診察でも卵胞10㎜以下、内膜6㎜で全く薬の反応なしと先生に言われ、いつになったら移植できるのか不安です。内膜も薄いので、追加の投薬などなくこのまま様子を見続けて待つとのことです。
以前先生のブログで、よい排卵がよい着床環境を生むようなことを読んだので、薬を飲んでもこんなに時間がかかる排卵の周期に移植してうまくいくのかとてもとても心配になっています。いっそのこともう薬で強制リセットさせて次の周期でホルモン補充してほしいと思うくらいです。
もし今回またダメなら次回は一人目の時のプラノバールでの移植に戻してほしいと思いますが、プロギノーバの方がいい薬ですか。凍結胚盤胞のストックは沢山あるものの、金銭的にきつく何回もトライすることが出来ません。こんなに時間がかかる(薬の反応がない)排卵での自然周期移植で先生はうまくいったことがありますでしょうか。

A 基本的な戦略は、妊娠した時と同じ方法を行なうことです。したがって、第1子の際と同じ、プラノバール使用のホルモン補充移植で行なうのが良いと思います。プラノバールとプロギノーバのどちらが良い薬なのかではなく、その方にとってどちらが合っているかが重要です。
また、自然周期でなかなか卵胞発育が見られない場合は、リセットをお勧めします。時間がかかっても卵胞が発育すれば妊娠の可能性はありますが、生理周期20日目ころで発育がなければ、それ以降引っ張ってもほとんど育ちません。