Q&A561 39歳、AMH<1 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 39歳、AMH<1、タイミング→人工受精→体外受精とステップアップ
4年前腹腔鏡手術:左卵管切除、卵巣周囲癒着剥離
左からの卵胞発育は弱く、右からの採卵のみ
①採卵まで飲み薬と自己注射、採卵するも空胞
②採卵まで自己注射2本(採卵4日前から225追加)、採卵1個、体外受精→3日目移植→1回目妊娠判定hCG 98→2回目妊娠判定hCG 300→初期流産
1回目の妊娠判定までも出血有。その後、1ヶ月余り止まらず存続絨毛症と判断されプラノバールでリセット。
強い注射を使っても採卵時には1個しか取れないので、自然周期を薦められ転院しました。
③アナストロゾールとクロミッド、自然周期、採卵1個、体外受精→初期胚凍結(グレード1、フレグメント0%)
 ホルモン補充周期(P4の数値があわず1周期見送り後)FSHが14.2で少し高いがと言われエストラーナ3枚とユベラ、移植後エストラーナ、デュファストン追加、飲み薬、膣剤、融解胚移植→妊娠判定hCG 0、

一度は着床したことがあったのに、今回は着床すらしなかったことに不安を感じております。次は胚盤胞まで育ててやってみましょうと言われましたが、着床する子宮の状態が良くなければ結果同じにならないのか、血液クレンジングや水素水で卵子の状態や子宮の状態を良くすることは出来きるのかなど、今後の治療法及び改善策があれば教えてください。そしてやはり自然妊娠は難しいんでしょうか。

A 染色体が正常な胚は、胚盤胞でも1/2の確率です。したがって、初期胚を2回移植して1回着床し、1回着床しなかったことは、特別不思議なことではありません。初期胚の1個居移植でしたら、3回移植して1回着床が標準的だと思います。少なくとも一度着床していますので、着床障害は否定されます。また、血液クレンジングや水素水による卵子や子宮の改善は証明されていません。

自然妊娠は難しいと思いますがゼロではありません。着床した時と同じ方法でトライするのが最も確率が高い方法だと思います。胚盤胞まで育たない可能性もありますので、初期胚での移植をお勧め致します。