Q&A516 27歳、高プロラクチン血症 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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Q 27歳、高プロラクチン血症、AMH 9.0
プロラクチン 34とやや高めでカバサール内服中、LHRHテスト、卵管造影問題なし、特に今のところ大きな異常はありません。
生理3日目で卵胞12mmと大きめでした(遺残卵胞かと思いましたが、いわれませんでした)。その3週間後受診すると排卵済みで黄体が、40mmと大きかったそうです。生理2日目に受診すると卵胞23mmで遺残卵胞といわれましたが、経過観察で大丈夫といわれました。私の卵胞は相対的に大きいといわれましたが、生理中であってもそんなに卵胞が大きいことはよくあるのでしょうか。
遺残卵胞は卵の質が悪いからその周期は妊娠しないと検索するとでてきますが、遺残卵胞は自然にこれから消失し、周囲の小さい卵胞が育ち、排卵することもありますか。なぜいつも卵胞が大きいのか、カバサール以外の薬剤を内服してなくても毎回遺残卵胞ができていて、妊娠できるのか、と不安に思っています。

A 一般に、生理中に卵胞が見えると、全て遺残卵胞ではないかと思われているようですが、これは誤りです。卵胞はいつでも育とうとしているからで、生理中に新しい卵胞が育ってきたとしても不思議ではありません。2013.10.22「☆遺残卵胞が気になります」の記事を参照してください。

私が気になるのは、高プロラクチン血症とありますが、それほどプロラクチン値は高くありません。カバサール内服によりプロラクチンが下がり過ぎると、卵胞発育に影響が出ます。一度プロラクチンの値を確認してみて下さい。プロラクチンが10未満でしたら、カバサールを中止してみることをお勧め致します。プロラクチンは、排卵にも妊娠にも必要なホルモンだからです。

また、あまりに大きな卵胞は空砲(卵子が入っていない卵胞)であることが多いように思います。空砲かどうかは、採卵をしなければわかりません(つまり体外受精です)。今すぐ体外受精というにはハードルが高すぎるかも知れませんが、頭の片隅に置いておくとよいでしょう。