Q&A474 何歳まで妊娠を目指すか | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 45歳、初期流産2回、第2子希望
Aクリニックで5回体外受精をし、43歳で無事出産することができました。2人目を希望し、授乳が終わったところで、再度治療を始めようとAクリニックを再受診したところ、この年齢での妊娠、出産は厳しいとはっきり言われました。この病院でも私の年齢だと2%未満。調べると自然妊娠でも同じくらいの確立とか。無事出産となると、それらの確率はさらに低くなると思いますが、それでも治療を進めてみるか、それとも治療はせず、自然妊娠を期待し、タイミングでトライしてみて、気持ちを整理しながら46歳を目処に諦めるか、非常に悩んでおります。
難しいことは難しいとはっきりと最初に病院が話してくれたことは大変感謝しております。ただ、一般論で、この年齢での妊娠、出産は難しいと聞かされても、自分の具体的なデータからの診断でないと、なかなか受け入れることが出来ず、少しの可能性が残されていることを思うとなかなか諦めがつきません。諦めた方がいいのか、努力してみてもいいのか、また2人目ということも治療の倫理観を重ねて考えると妊娠を目指してよいのかどうか大変悩ましく感じております。

A 同じ年齢でも、妊娠をトライしてからの期間が短い方と長い方では妊娠率に雲泥の差があると感じています。一般の統計では現れない差であり、十把一絡で論じるのはよくないことと思います。しかし、クリニックによっては、年齢でハッキリと線を引いているところもあるのも事実です。電話予約の段階で門前払いがあることもよく聞きます。クリニックの事情もあるかと思いますが、このようなクリニックは大概、妊娠率が高いことをアピールしています。しかし、足切りのようなことを行って妊娠率を高くしているだけであり、フェアーではありません。逆に全てを受け容れるクリニックの妊娠率が低くなるのも当然ですが、技術的に劣っているとは思いません。したがって、このような場合には受け容れてもらえるクリニックへの転院をお勧め致します。43歳で出産していますので、まだチャンスはあると思います。