Q&A212 36歳、AMH 0.36、第2子希望、米国在住 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 36歳、AMH 0.36、第2子希望、米国在住
32歳、自然妊娠にて第1子出産
ドクターから自己免疫疾患によってAMHが低くなった可能性が高いと言われています。体外受精で授かっても自己免疫疾患から流産を招く可能性もあるといわれました。米国では流産を防ぐ治療方法はいくらでもあるが、日本では発展途上だと説明を受けました。今年の春過ぎに日本に帰国して、日本で治療を継続したいと思っているのですがこの点が不安に思っています。

A 医師に限らず米国の方は、他国のことをあまりご存じないように思います。日本は米国と並び不育症の研究が盛んな国です。実際に国際生殖免疫学会や米国生殖免疫学会といった不育症の学会では、日本人の発表が非常に多く、日本人抜きでは学会開催が考えられないのが現状です。ただし、不育症自体がマイナーな分野であるため、日本の産婦人科医師全体からすると不育症を専門に診療する医師は極めて少数派です。したがって、帰国された場合に、お近くに不育症専門の医師がおられない可能性は高いと思います。

お話の内容では、自己免疫疾患がどのようなタイプのものなのか根拠が示されていませんので何とも申し上げられませんが、不育症専門の医師の診察が受けられるならば、日本でも米国でも同じように治療ができると思います。また、不妊症の治療であれば、特に大きな問題はないでしょう。