Q&A 19 採卵数が少ない時の初回はcIVFかICSIか | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 低AMH0.28と高FSHのため、カウフマンを行ってFSHを2まで下げてから刺激に入りました。低刺激で誘発し、D1よりhMG300単位から開始し、D5より5日間クロミッドを開始しました。hMGは適宜減量し、合計10回注射しました(ガレニストも使用)。卵胞は小さいのも含めて5個育ちました。D12で、26×19、21×19、14×13、16×16、14×11で、D15に採卵予定です。おそらく採卵できて2個くらいかと思います。担当医は初回なのでふりかけ(cIVF)でと仰っていました。私は、AMHも低く採れる卵も少なく、いつ卵がとれなくなるか分からないので、確実に受精させたいと思います。ふりかけでやって全滅するのは避けたいので、顕微授精(ICSI)を希望しています。夫の精子も問題なく、ふりかけをすすめてるのも分かるのですが。精子に問題なければ初回はふりかけなのでしょうか?

A 卵胞の大きさからすると、3~4個採れる可能性もあるかと思います。その場合には、cIVFとICSIを半々にするsplit ICSIをお勧め致します(保険をかける格好になります)。仮に2個しか採卵できなかった場合には、とても悩ましいところですが、当日の精子の状態で判断するのがひとつかと思います。2013.6.5「男性はプレッシャーに弱い」で紹介しましたが、採卵日には男性も精神的なストレスが極めて強くかかっており、そんな大事な日に限って普段より状態の悪い精子が得られることが少なくありません。元の精子ではなく、精子を調整した後の状態で判断するわけですが、良ければcIVF、悪ければICSIということになります。