筑波時代の職場の友人が,特許裁判での専門家としての意見を言うことをアルバイトしていましたが,彼が暴露したのは,唖然とするお話でした.彼曰く,特許紛争の判断に,裁判官は広辞苑を使うのだそうです.広辞苑は国語辞典です.みなさんこの話を信用できますか?
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で,この話を補強する意味で,私が友人から聞いた話を書きましょう.かれは,奥さんが建てたピアノ室の不備で,設計をやった建築士を訴える手伝いをさせられています.彼の奥さんは,専門家だそうで,ピアノにも普通の人よりも気を使っているそうで,ピアノに絶対に直射日光を当てないようにしてください,とお願いしたにもかかわらず,この馬鹿設計士,天窓を開けたんですね.
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この天窓からは直射日光が差し込むので,奥さんは怒り心頭,設計士を訴えたそうです.ところが,設計士の弁護士は,夏至の頃,太陽が南にあるときのみの計算をし,それ以外の時は太陽は低いので,直射日光は入らない,との弁護の論陣をお張りになったそうです.
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この弁護士は,「太陽が東からのぼり,西に沈む」という中学生でも知っている事実を見逃して論陣を張った訳です.ところが驚いたことに,裁判官は両者の主張整理案のなかで,この弁護士の主張を取り上げたとのこと.
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これを見て頭にきた友人は何せ理系ですので,太陽の方位角,太陽高度が一年365日,一日の時刻でどうなるかをネットで調べた上で,三角関数を駆使して,直射日光が照らす領域がどのようになるかを,時刻でどのように変化するかを計算して弁護士に提出したそうです.結論はまだまだ先だそうですが,日本の法曹界は暗いですね.弁護士が,どう料理するかも,見ものじゃないでしょうか.

