最近,榊原英資,水野和夫という経済学者の新書を読みました.この本の趣旨は非常に単純で,『資本主義は終わった』です.その理由は,どの国を見ても利子が下がっているからです.つまり,資本主義は成長しないことを意味しているというのです.
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水野和夫という人は,銀行に勤務した後民主党政権時代に内閣に入った後,日大の先生をやっています.『資本主義はもう成長しない,過去の資本主義の発展は,大航海時代,蒸気エンジンによる新しいフロンティアの開発によるものだが,今後このようなフロンティアは出てこない.新しいスキームの出現には,100年単位の時間がかかることを過去の歴史は述べている.動力革命に比較すれば,IT革命などは大したことない.』というのが,水野先生の主張であります.
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問題なのは,大航海時代は,バスコダマの喜望峰の発見だけによるもの」ではないことです.大航海時代というのは,地球上のどこにでも航海ができる時代になったということでありまして,航海術の確立が必要でありました.これを可能にしたのが,クロノメータです.イギリス人のエンジニアの発明ですね.
スティーブンソンが鉄道を,ワットが蒸気エンジンを開発出来たのは,ハーグ-リーブズが中繰り旋盤を開発したからです.
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水野和夫氏が怪しからんのは,過去のフロンティアの実現に貢献しているエンジニアをン無視する一方で,現在の情報技術の効果が過去に比較してフロンティアを広げる効果が低いとしか述べない,ということです.全体としてみれば,歴史のなかでエンジニアを軽視していることです.エンジニアは,資本主義の発展には大いに貢献していると思います.
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エンジニアが軽視される理由の一つには,『エンジニアがお金をもらわないと開発ができない』ということもあるかもしれませんが,やはり社会のなかでの主張が弱いということがあると思います.
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とはいえ,エンジニアを無視してこのような主張をするお二人は,エンジニアから見ると,天敵 と言って良いと思います.天敵です.