「僕は力を与えられ、そして呪われた。僕が誰かって?僕はスパイダーマンさ」(スパイダーマン) | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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『スパイダーマンNo Way Home』が素晴らしかったです。

トム・ホランド版スパイダーマンの三部作完結編です。

ようやく大変だった高校生活が終わりを告げます(宇宙の半分の生命が指パッチンで消滅したり)。

 

 

 

「薔薇の名前」の中で「書物は書物について語る場合の珍しくないことが、それどころか書物同士で語り合っているみたいなことが、私にも分かった」というセリフが出てきます。

 

何の話かと言えば、ある一冊の本をきちんと理解しようと思ったら、他の本が必要ということです。文章の中の一節を真に理解しようと思ったら、その前後の文章だけではなく、その書籍全体の理解が必要ですし、できればその作家が書いた本は全部読みたいわけです。いや、その作家が影響を受けた書籍も読みたいのです。

 

書物はしばしば別の書物のことを物語る。

 

現代のヒーロー物はその物語で完結することなく、他の物語を引きずり、次の物語を包摂しようとします。

*初代ジェームズ・ボンド(『007』)のでお馴染みのショーン・コネリーが主演しました!

(引用開始)

「なぜですか? 一巻の書物が述べていることを知るために、別の書物を何巻も読まなければいけないなんて?」

「よくあることだよ。書物はしばしば別の書物のことを物語る。一巻の無害な書物がしばしば一個の種子に似て、危険な書物の花を咲かせてみたり、あるいは逆に、苦い根に甘い実を熟れさせたりする。アルベトゥスを読んでいるときに、後になってトマスの言うことが、どうして想像できないであろうか?あるいはトマスを読んでいるときに、アヴェロエスの言ったことを、どうして想像できないであろうか?」

「そうですね」私は関心してしまった。そのときまで書物はみな、人間のことであれ神のことであれ、書物の外にある事柄について語るものだとばかり思っていた。それがいまや、書物は書物について語る場合の珍しくないことが、それどころか書物同士で語り合っているみたいなことが、私にもわかった。 (引用終了)(p.52 『薔薇の名前』下巻)

 

 

 

 

現代のヒーロー者映画は、制作会社を超えて、ヒーロー同士が語り合い(争い合い)ます。

今回のスパイダーマンでは、驚くべきことに異なる世界線にいたはずの登場人物たちが(ドクター・ストレンジがマルチバースの扉を開くことで)共演を果たしました。

 

マトリックス・リザレクションは僕ら観客側の世界線と映画『マトリックス』の世界線の融合でした。

いつもながら少し早すぎたのかもしれません(そう言えばドクターつながりで言えば、Dr.スランプアラレちゃんでは作者が漫画の中に出てきます。手塚治虫作品では、作者自身が繰り返し出てきます。でも僕らの世界線とは重なりません)。

 

バクマンはもっと世界線が重なりましたが、それでもあくまでもメタフィクション的でした。

少なくともその重なり方はジャンプ編集部まででした(それもすごいことですが)。

 

 

 

ただあまりにマルチバース(多元宇宙)の扉を開きすぎたことで、マルチバースのホメオスタシスに反撃されるのが次回作(多分)。

 

 

ちなみに、もしまだドクター・ストレンジを知らなくて、ドクター・ストレンジに興味が出たら、まずドクター・ストレンジの一作目をご覧になることをオススメします。

 

 

もし、偉大なるカンバーバッチに興味が出たら、天才アラン・チューリングを演じた「イミテーションゲーム」を!

 

 

マルチバースというのは、ユニバースの反意語。

ユニバースというのは宇宙という意味ですが、ユニバース自体は「ユニ」とあるように唯一のというニュアンスがあります。それに対して、パラレルワールドというか、いくつもの宇宙があるというのがマルチバース。

別な世界線が存在するというとちょっとSFっぽくなります。

物理学的には正確な用語の使い方では無いながら、僕は「世界線」という言い方が好きです。

別な世界線が融合するということで言えば、「君の名は」があります。

 

 

この世界線の感覚というか、マルチバースの感覚があると便利なのが、気功師の臨場感です。

 

それはさておき、、、

 

スパイダーマンシリーズの有名な言葉に

 

“With great power comes great responsibility.”

(大いなる力には大いなる責任が伴う)

 

という言葉があります。

 

お父さんがわりのベンが、そしてお母さんがわりのメイおばさんが繰り返し、大いなる力を持つ子供(がわり)のピーター・パーカー(スパイダーマン)に教えます。

 

これはノブレス・オブリージュ(高貴なる者は義務を追う)ということにも繋がりますが、その真意は見かけよりもよりグロテスクというか、より厳しいものがあります。

(ノブレス・オブリージュも民衆に先立って、戦争の最前線で身を晒すという意味では彼らにとって本来は厳しいものです)

 

20年前のスパイダーマンはこう言っています。

 

Whatever life holds in store for me, I will never forget these words: “With great power comes great responsibility.” 

 

This is my gift, my curse. 

 

Who am I?

 

 I’m Spider-man.

 

(この先にどんな人生が待っていようとも、僕はこの言葉を絶対に忘れない。"大いなる力には大いなる責任が伴う" 

 

僕は大いなる力を与えられ、そして呪われた。

 

僕は何者かって? 

 

僕はスパイダーマンだ。)


エンディングシーン(リンクを張り直しました2022/01/22)

 

*字幕では「使命」と訳されていますが、Curseは呪いでしょう。

 

大いなる力がもたらす大いなる責任を痛恨の形で支払わされ、そしてその呪いを一身に受けた少年の偉大な物語でした。

 

彼らほどではないにせよ、僕らも大いなる力を持つことができるわけで、そちらの道を選択した以上は、大いなる責任(その呪い)をも一身に背負いましょう。

(選択と書きましたが、実際には選択などなく、蜘蛛がランダムに噛んできたのがたまたまピーター・パーカーだったわけで、僕らも同じです。その運命は決まっていたとも言えますし、ランダムとも言えます。いずれにせよその世界線からは逃れられない、と)

 

Homecomingから始まり、アベンジャーズ大集合のサノスの物語に巻き込まれ、Far from homeから、No Way Homeと見事な三部作でした。一気見したいです(そして、できたら、前のスパイダーマンも観たいところです)。


No Way Homeというタイトルの意味の深さに号泣必至です(多分w)。

 

【映画紹介】

というわけでスパイダーマン映画です!

 

 

ここまでがいわゆるサム・ライミ版。

 

 

そしてアメージングスパイダーマンシリーズ。

 

このあとがトム・ホランド版です。

できたらシビル・ウォーから観ると良いかも。

 

 

 

そして第1世代と第2世代のスパイダーマンたちが集結して完結するのが、今回のノーウェイホームです。トム・ホランド版3部作の完結編です。いま公開中です。