アリス式大周天ではなぜ頭が天井に届くだけで、もっと高いところを目指さないのか?星の高さではダメ? | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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アリス式大周天という大周天の技法が「まといのば」にはあります。

 

大周天というのは、情報的な身体を情報空間において大きくすることです。巨大になるということですね。男の子が巨大ロボットアニメが好きなのは、大周天に対する希求ではないかと密かに思っています。ガンダムにせよ、エヴァにせよ、ウルトラマンにせよ。

ゴジラは巨大ロボットアニメではないですが、あそこまで大きい必要はありません。

 

なぜ情報空間における情報的身体を巨大にしたいかと言えば、情報空間も寄らば大樹の陰であり、大きいものに小さいものが従うからです。

より具体的には、抽象度の階層性が情報空間には存在し、その階層の上位にいるほうが巨大とされるからです。

IQという点でも、情報身体が大きいほうが高い視点を手にすることができ、高い視点をIQが高いと言います。低いIQでは永遠に解けない問題を高い視点では一瞬で解けることがあります。

 

これらの理由により、情報的身体を巨大にすることに、多くの人が関心があります。

 

僕自身は大周天という概念を苫米地ワークスで初めて鍛錬しましたし、その後も幸運にも継続的に薫陶を受けることができました。この鍛錬法はある意味で特殊で、ある意味でオーソドックスです。科学的見地から見たクンダリーニ法であり、クンダリーニによって大周天を実践するという方法です(ここらへんの話は書籍ですでに公開されています)。科学的見地という点で言えば、たとえばワークの名称がA10と呼ばれているときがあり、ドーパミン経路と呼ばれているときもありました。また、副交感神経系と交感神経の両方を優位にしていくという鍛錬方法も学びました(その具体的な手順が存在します)。

そうやって無理矢理というか、かなり頑張って開発するのが大周天です。もちろん年単位の実践は不可避ですし、センスも必要でしょうし、良い指導者に恵まれる運も必要でしょう。

 

幸運にも、僕自身は自分が大周天をある程度できるようになり、ずいぶんと時間が経ったときに、習ったのとはまた全く別な方法で教えるようになりました(習った方法で教えるには能力が足りなすぎました)。

 

その一つがアリス式大周天です。

(大周天を巨大にする方法はいくつもあります)。

 

もともとはもうちょっと違う方法で教えていたのですが、教え方を煮詰めていく中で、今の形に落ち着きました。

 

僕自身は目の前の受講生が大周天を大きくしている様が可視化できるので、それを手助けする形で、いろいろなアイディアを投げていました。

 

その一つが今のアリス式の原型です。

 

すなわち、天井を眺め、その天井に頭がつく様をイメージする。その上で自分の頭を手で触る。ただしそのとき、身体が大きくなって、天井に頭がぶつかって痛いと感じるというものです。

 

 

頭に触れているのが自分の手なのか、はたまた天井なのかを頭は判断することができません(意識は判断できても)。

 

ですので、勘違いさせることで、大周天を作り上げるという技です。

 

このときのポイントは臨場感です。

臨場感というのは、英語ではRealityです。

現実に目の前に手触りをもって存在するという感じのことです。物理的に存在しているかどうかは問題ではありません。その人の意識の中で存在すれば十分です。

 

それは勘違いではないかという反論があるかもしれませんが、気功の世界ではRealは問題ではなく、どこまでもRealityが問題です。Realityがあれば、それは遅かれ早かれ実現するのです。

勘違いというのは、現実になるのです。

 

さて、なぜここで不思議の国のアリスなのでしょう。

 

いや、正確にはなぜ天井なのでしょう。

 

よく受講生から、「もっと上では駄目ですか?」と聞かれました。

(Moreの暴君のようですが、問題はそこではありません)

 

たとえば上の階の天井であったり、雲の高さであったり、月や太陽の高さはどうですか?、と。

 

 

僕の回答はシンプルです。

 

「それに触ることができたら、それでも構いません」というものです。

 

 

はしごを使えば天井には触れます(というか、アリス式大周天をやるまえに天井に触っておくのはとても良いことです)。

 

ですから天井に頭が届くくらいに巨大になるというのは良いワークです。

 

でも、月に触る事は難しいです。

 

雲の高さなら、登山をしている人はその高さを通過することがあるでしょうし(文字通り雲の中を歩けます)、足元に雲海が広がる体験をしているかもしれません(飛行機では雲に触れることができません)。

 

太陽を触ることができたのは鉄腕アトムくらいでしょうし(溶けましたし)、星に触ることができるのは、月が欲しいと泣く女の子くらいのものです(冗談です)。

 

何が言いたいかと言うと、自分の臨場感が届く範囲を正確に理解しておくことが重要ということです。

気功をやる上で、最重要な概念の一つがこの「臨場感」です。

 

たとえば「自分の大周天は空まで届く!」とか「星まで届く」とか、太陽系や銀河系サイズまで大周天を広げるというのは妄想ということです。臨場感があるのではなく、妄想が過ぎるだけです。

 

妄想は気持ち良いですし、気功をしている気分になれますし、そして恐ろしいことにそこそこの結果もついてきてしまいます。でも、それはプロとしてしっかりと気功をするには邪魔でしかありません。

 

妄想ではなくリアルの世界に戻ってきましょう。触れられるリアルな世界に戻りましょう。

 

大周天をアリス式でやらなくてはいけない必要はありませんが、少なくとも正しく気功をやりましょう。臨場感を第一に考えましょう。

 

映画『レミニセンス』では、いま体験しているのが記憶なのか、現実なのか分からなくなる瞬間が繰り返し出てきます。そして記憶の中で安心して楽しむ方を世界人類が選びつつあるというSF設定です(というか、これはSFのあるあるネタです。マトリックスしかり、レディープレイヤーワンしかり、インセプションしかり。仮想現実というのは記憶のパッチワークであることを考えれば、同じ轍です)。

 

そして気功師の轍は、臨場感ではなく、妄想に臨場感を持つということです。妄想はリアルではありません。

 

リアルな世界、触ることができる世界というのは驚くほど小さいのですが、その驚くほど小さい世界を正確に認識できていると、その世界をアリアドネの糸として、謎解きが可能になるのです。

 

何でも可能な妄想の世界に長く浸っていると、そこから抜け出せなくなります。

 

老婆心ながら、そういうヒーラーが増えてきているので(「まといのば」でかつて学んだヒーラーにも)、忠告というか、アドバイスになれば幸いです。