モチベーションが上がらないと思ったら、頼るべきはモチベーションではなくルーティーンにすることです。
ゴールを仮に設定したら、そのゴールが求める作業を仮に決定し、そしてその作業を日常生活に組み込むように仮にルーティーン化します(「仮に」がポイントです。永遠に「仮に」です)。
ルーティーンは手続き記憶のように、AがBを呼び、BがCを呼ぶように連鎖させるようにしておきます。
たとえば寝る直前に結界を張ってしまうようにルーティーン化したいと思ったら、ベッドに入った瞬間に手が動いて結界を張るように習慣化します。もし結界を張ることがルーティーン化できないのであれば、1ヶ月ほど天井に大きく「結界」と書いた紙を貼っておくと良いです。そうすると寝転がった瞬間にその文字が目に入り、そうしたらさすがに結界を張ります。
起きた瞬間にいくつかやりたい気功のワークがあれば、それも書いて貼っておけば、何も考えずに手を動かせます。
毎朝、苫米地手帳にゴールを書きたいと思ったら、朝起きたら、メガネと共に手帳を手に取り、挟んであるペンを手に取るところまでをルーティーン化します。そうするとドミノが倒れるように、ゴールを手が勝手に書き始めます。もし書くことが無かったら、サマーセット・モームのように自分の名前でもタイプライターで書くといいです。
習慣化は大事ですが、もう少しプラクティカルにルーティーン化と考えましょう。
習慣化しようとすると重いのですが、手続き記憶のような連鎖で自分の行動をコントロールしようと思うと軽いのです。
行動主義の1つの結論で、僕が気に入っているのは、人は長期的に思考できないというものです。非常に短期的で、視野狭窄だということです。プロスペクト理論などを見ても分かりますが、直前のものに大きく左右されます。
とするならば、その直前のものを参照する癖を逆用することです。
それが天井に貼った「結界」の文字であったり、ベッドスタンドにある苫米地手帳とペンです。
気功を日常生活の中に取り入れようと思った、気功をやろうと力まずに気楽に「手を重ねよう」と思うことです。何かの折に、手を重ねることです。
手を重ねたら、手の感触を感じ、手の暖かさを感じます。
それだけで十分です。それ以上を自分に求めず、自分に課さないことです。
せっかく「気功を日常生活の中に取り入れよう」と思っても、心の中の悪魔がささやきます。
「そんな時間は取れない」
「気功で何をするかを決められない」
「気功って本当に効果があるのかな?」
「気功って一体何なのかわからない」
「気功技術の詳しい取説がないと始められない」
「自分にとってゴールはなんだろう」
「本当のゴールが見つからないと、気功をやっても無駄だ」
などなどと最もそうな御高説をグダグダと心の中の悪魔くんが喋り続けます。
そのおしゃべりをストップさせて、単純に作業にすることです。
手を重ねてみる、そして手の暖かさを感じてみる。
それで身体がゆるむかもしれないし、手がサラミ状になるかもしれないし、前屈したら柔らかくなるかもしれません。
いや、手を重ねること自体が楽しいと気づけるかもしれません。
ともかくルーティーン化することです。
それも些細なことをさも重大そうにルーティーン化することです。
単に手を重ねるだけというワークを一日に午前1回、午後1回やると決めて、達成したらダイアリーにチェックをつけることです。10個貯めたら小さなご褒美、100個貯めたらささやかなご褒美と決めるのも良いかもしれません。
これがゴール設定講座などで繰り返し勧めている「期待値を下げる」ということです。
そしてそのフィードバックを可視化することも。
「せっかくだから、最初から飛ばして行きたい」という思いは分かるのですが、それを考えたときの自分と、実行するときの自分は全くの別人格です(そう見做す方が有効ということです)。
立案する人と、実行する人が異なるようなものです。でも我々は同じだと勘違いするのです。
とすると、現実的にそしてプラクティカルに考えれば(そしてプラグマティックに考えれば)、期待値を下げるのが有効です。
それでもマタイ効果と複利効果がガンガン働きます。十分に働きます。
それも結局、ベタなのですが「継続は力なり」なのです(まといのば」の根本理念を煎じ詰めると「知は力」「継続は力」ですwもう少し付け加えるならば「無知の知」と「汝自身を知れ」ですね。汝自身だけではなく、「死を忘れるな(Memento mori)」)。
とするならば、続けられるようにデザインするのが吉です。
(何を続けるかとかは重要ではないので、まずは始めることがポイントです。それも軽いものを始めることが)。
結果を求めないことも大事です。すぐにフィードバックを取るのは大事ですが、結果に固執しすぎると無限地獄に落ちます。行動していること自体をカウントして、望む結果が得られたかどうかには頓着しないことです(得られたらもちろん喜びましょう)。
メンターは2期が始動しています(11月スタート生はまだしばらく募集します!)。
メンター1期も引き続き募集中です。
これもあまり気負わず、たとえば「台所に立つときに、ビデオ教材を流すと決める」とか「通勤中にとりあえず音声を聴く」でもOKなのです。
いやいや、実際は集中して視聴して学んで欲しいのですが、「集中してみる時間をつくる」ことが目的となり、その時間を探すことが課題となり、そのうちにやらない理由となりがちなのです。でしたら、タイムシェアリングを使ってみることです。何か他の時間を犠牲にしないで、作業を追加することです。
実際に聞き直せば聞き直すだけ、新しい発見があります。
日々成長している人は、日々スコトーマが外れているので、同じものを聞いても違うものが見えるのです。
ゴールが設定できたら、ルーティーンを決めましょう。
あまりかしこまって考えずに、気楽なルーティーンを。
そのときに期待値を思いっきり下げて、これならできるでしょと思うことをまた砕いて分割してやりましょう。
そして赤ん坊がハイハイするのと同じで、少しでもできたら大喜びしてあげましょう。
その積み重ねがそのうちに直立二足歩行を可能にするように、偉大なことを可能にします。
自分を上手にゴールに従わせる術を覚えることです。
それがすべてを変えます。
私は自分で引いた道をまっすぐに進む。自分が勝手に選んだ道だからこそ、その道の奴隷になる(シャネル)
*我らがマリリン・モンロー。
寝るときつけているのはという質問にシャネルの5番と答えたことで有名ですが、その音声が公開されています。Nudeと言うのが嫌だったとは。
*以前、まだバレエスタジオでセミナーをしていたころに、このマリリン・モンローのシャネルの5番の広告を「中丹田のトリガーを押すマリリン」として紹介していました(ジョークですが、でもインパクトは大きいですよね)。
「香水は貴女(あなた)がキスをしてほしいところにつけなさい」(ココ・シャネル)
【映画紹介】