最初はすべてを理解しようとしないで、小説を読むように進みなさい(ゲーデル) | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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*明日はいよいよ寺子屋再始動です!!

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寺子屋が終わったら一段落で、来月の予定も出せるのではないかと、、、思っています、、、、(・_・;)

来週はいよいよラージャ・スクール!!!!

そしてはじめての気功も来週です!!!




時の人であったアインシュタインとお友達になったことを一番喜んでいたのは、もしかしたら母親だったのかもしれません。

天才が集まるプリンストン高等研究所で、クルト・ゲーデルは30歳近く年長のアインシュタインと親しい友人になります。

これはどちらにとっても実りの多いものであったのでしょう。

アインシュタインが晩年、自分にとって一番楽しかったのはゲーデルとプリンストンで散歩をすることだったと言っているほどです。


*ゲーデルとアインシュタインの散歩
*アインシュタインはまた若きハイゼンベルクにアドバイスをして、それが不確定性原理の発見につながります。そこらへんのドラマはこちらの記事「おそらく私はその種の哲学を使ったでしょう。しかし、それでもやはりそれは無意味です」を参照してください!!


アインシュタインは当時、猛烈な有名人であり偉人です(いまだにそうです)。

そのアインシュタインと友達になったということに一番驚き、そして喜んだのはゲーデルの母マリアンヌだったかもしれません。

アインシュタインと息子との友情を聞いて、思わず感極まったそうです。母とはありがたいものです。

そして早速マリアンヌはアインシュタインの業績を勉強し始めたそうです。

それに対してゲーデルはこう優しくアドバイスします。

抽象観念を恐れることはない、最初はすべてを理解しようとしないで、小説を読むように進みなさい」(ゲーデルの世界 海鳴社 p.14)

このアドバイスは、きわめて重要だと思います。

ラマヌジャンを描いた映画「奇跡がくれた数式」の中でもラマヌジャンが恋人から数式とは何かと聞かれて、絵のようなものだと答えるシーンがあります。

見えない色で描かれた絵だと言います。

丁寧に眺めているうちに、色が見えてきます。音楽が聞こえてきます。

(もちろんこの前提にあるのは、「絵画とは読むものである」という知識です。イコノロジーの登場を待つまでもなく、絵画とは読むものです。前提となる知識があって、はじめて読めるのが絵画です。音符が読めないと楽譜が読めないのと同じです。絵画も知識と読み方を習わない限りは、読めないのです。数式も同じです)




数式も同じですし、哲学も同じです。



難解すぎて、まったくちんぷんかんぷんな文章というのはあります。

それが自分にとって非常に重要であることが分かっていても、全く読めない文章というのは多くあります。

そしてそれに何としてもトライしなくてはいけない状況というのがあります。

そのときは、天才の息子からのアドバイスを思い出しましょう。

抽象観念を恐れることはない、最初はすべてを理解しようとしないで、小説を読むように進みなさい」(クルト・ゲーデル)




「何と書いてあるか、どう読むか(イエス)」以前に、もっと肩の力を抜いて、小説を読むように、抽象観念を恐れることなく、気楽に読み進み、繰り返し読む中で見えてくるものがあります(もしくは全体を通読することで、意味が浮かび上がってくることもあります)。


僭越ながら、このブログにせよ、OnLine ReCordにせよかなり難解だと感じることも多々あると思います。

しかし、音楽を聴くように、小説を読むように触れ合うことで、見えてくるものもあります。
難解な数学などもそうだと思います。

最初はすべてを理解しようとしないで、小説を読むように行きましょう!!

小説を読むときは細かなところは最初は何となく飛ばしてしまうものです。固有名詞であったり、こまかな設定であったり、行間であったり、、、再読して見えてくるものはたくさんあります。最初のうちは、ともかくラストまで筋を追い、再読でまた楽しみます。

数学にせよ、哲学にせよ、様々な難解な著作等にせよ、新しいジャンルの勉強にせよ、「抽象観念を恐れることはない、最初はすべてを理解しようとしないで、小説を読むように進みなさい」の精神でいきましょう。

繰り返しによって、うっすらと見えてくる世界があります。その世界は素晴らしいものです。



【書籍紹介】
ゲーデルの世界―完全性定理と不完全性定理/海鳴社

¥1,944
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ゲーデルとアインシュタインについては面白い逸話がいくつかあります。
2人が仲良く散歩したのもそうですし、上記の母親のエピソードもそうです。
ふたりとも自分が産み出した理論に呪われるような晩年です(ひとりは量子論に、ひとりは不完全性定理に)。

ゲーデルがアメリカ市民権取得に際してのエピソードもゲーデルらしいと言えます。
憲法全文を論理学の題材として処理するゲーデルらしいエピソードであり、かつ本人がナチス・ドイツから逃げてきたことを思えば、それがそのまま現実でもあります。


1948年、ゲーデルは、アメリカ市民権を取得する。このとき、保証人に名を連ねたのがアインシュタインである。当時、アメリカ市民権を取得するには、米国憲法に関する面接試験が課せられていた。そのため、ゲーデルは、合衆国憲法を一から勉強しはじめた。面接当日、ゲーデルは「合衆国憲法が独裁国家に合法的に移行する可能性を秘めていることを発見した」とアインシュタインたちに語り、彼らを当惑させた。そして、移民審査をする判事から「あなたは、独裁国家(ナチス・ドイツに併合されたオーストリア)から来られたのですね。我がアメリカ合衆国ではそのようなことは起きませんから、安心してください」と言われた際、ゲーデルは、即座に「それどころか私は、いかにしてそのようなことが起こりうるのかを証明できるのです」と答えた。そのため、その場に付き添っていたアインシュタインたちが慌てて場を取り繕うという一幕があった[5]。(Wikipedia)

アインシュタインも相当に変わっている人だと思いますが、ゲーデルはそれに輪をかけていますね(^o^)


ちなみにゲーデルのお母さんのエピソードの引用はこちら↓



彼(ゲーデル)が親しくつきあった人の中に27歳年上のA.アインシュタイン(1879-1955)がいた。2人の家は近く、家族ぐるみのつきあいをすることになった。ゲーデルは、アインシュタインが特殊相対性理論のために哲学的分析をおこない、たぐいまれな成功を収めたことに尊敬の念をもっており、アインシュタインは、ゲーデルの気品ときちょう面さとの組合せに惹かれていたという。彼らは互いに定期的に訪問しあい、哲学、数学、物理学などについて、議論しあっていた。ゲーデルの母は、アインシュタインとの友情を聞いて思わず感きわまったという。彼女はさっそく、アインシュタインの業績を勉強しはじめたが、それに対してゲーデルは彼女に手紙で、抽象観念を恐れることはない、最初はすべてを理解しようとしないで、小説を読むように進みなさい、と勧めている。

(ゲーデルの世界 海鳴社 p.14)


*プリンストン高等研究所
*建築とか環境って本当に大事だな〜と思いますね。ラマヌジャンのケンブリッジのトリニティカレッジも素敵ですし。


以前も紹介しましたが、明日の寺子屋で使おうと思っている教材の一つです(^o^)

経済数学の直観的方法 マクロ経済学編 (ブルーバックス)/講談社

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物理数学の直観的方法―理工系で学ぶ数学「難所突破」の特効薬〈普及版〉 (ブルーバックス)/講談社

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そして若きハイゼンベルクとアインシュタインの出会いについては、こちらのハイゼンベルクの自伝を!!(ハイゼンベルクと言うとBreaking Badしか思い出さない人も是非!!)
部分と全体―私の生涯の偉大な出会いと対話/みすず書房

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