深いところで後戻りすることのない進化、、、夢の時代の終わり(エマニュエル・トッド) | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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EUからのイギリス離脱(Brexit)と同じく民主主義(民主制)の勝利を目にして、今さらながら手垢のついた古い言葉を思い出します。

民主制は最悪の制度だが、過去の政治形態に比べればマシであるというあのチャーチルのつぶやきです(民主主義と訳すのが通例でしょうが、democracyのどこにもism=主義とはありません)。

(引用開始)
これまでも多くの政治体制が試みられてきたし、またこれからも過ちと悲哀にみちたこの世界中で試みられていくだろう。民主制が完全で賢明であると見せかけることは誰にも出来ない。実際のところ、民主制は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた民主制以外のあらゆる政治形態を除けば、だが。
"Many forms of Government have been tried, and will be tried in this world of sin and woe. No one pretends that democracy is perfect or all-wise. Indeed, it has been said that democracy is the worst form of government except all those other forms that have been tried from time to time."

(引用終了)(Wikisource)
*つぶやきというのはもちろん比喩的表現で、これは下院でのスピーチです。
Speech in the House of Commons (11 November 1947), published in 206–07 The Official Report, House of Commons (5th Series), 11 November 1947, vol. 444, cc. .

共同体には言うまでもなくエリートが不可欠です。その集団を引っ張るリーダー、もしくはエリート層は必須です。ですからいま起きている現象はエリート支配の否定ではなく、既存のエリートが偽善者として放逐されているのです。

自分がエリート、もしくはエリートに準ずると思っている人にとってショックはいかほどかと思いますが、まずは現実を直視する必要があります。それも冷静に。

起きているのはポピュリズムの成れの果てでもなく、反知性主義でも、差別主義でもなく、既存の支配に対するNoであり、既存の支配からの卒業ですw

いわば、エリート層の新陳代謝ですね。

良いことです。

エリートと言うと、僕は若い頃に読んだBest & Brightestをいつも思い出します。
ニューヨーク・タイムズの記者によるドキュメンタリーです。
最も賢く聡明な人々がなぜ最悪の政治をしてしまったのか、というドキュメンタリーです。
ジョン・F・ケネディが大統領になったときは40歳そこそこです(正確には43歳。ちなみにビル・クリントン46歳、オバマは47歳でした。トランプは、、、、70歳)。

プラトンが大好きな我々にとって、哲人政治というのは見果てぬ夢です。いや、たしかに、もちろんエリートが共同体を牽引すべきだと思います(行政は優秀なテクノクラートたちに、いやA.I.たちもw)。

ただ、これまでのエリートたちに対しては静かにNoが突きつけられたのだと思います。

エマニュエル・トッドはこう言います。
1998年と2016年の間に私たちは、グローバリゼーションが国を乗り越えるという思想的な夢が絶頂に上り詰め、そして墜落していくのを経験したのです。それは一つの国(ナショナル)というよりむしろ帝国(インペリアル)となった米国に主導されながら進んでいきました」(p.5 エマニュエル・トッド『グローバリズム以後』)

グローバリゼーションは恐怖であり福音であるものとして、世界を席巻しました。そしてそれはアダム・スミスの見た夢であり(とは言え、よく読めばアダム・スミスの主張の文脈は非常に限定された地域での話しです)、リベラルの見た夢でもありました(ジョン・レノンも見た夢でもあったでしょうし)。
良い夢であったのか、悪夢であったのかはともかくとして、その夢の時代が明確に終わったのです。

それは良いことだと思います(この期に及んで今さらながらTPP法案を通す衆議院のセンスは意味不明です。動き始めたら止められないということなのでしょうか?王様は裸だと叫ぶのがリーダーの役割でしょう。「TPPは無いよね」と叫ぶリーダーはいなかったのでしょうか?)。

イエスなら、「どうして今の時代を見分けることができないのか」(ルカ12:57)と言うでしょう。

12:54 イエスはまた群衆に対しても言われた、「あなたがたは、雲が西に起るのを見るとすぐ、にわか雨がやって来る、と言う。果してそのとおりになる。
12:55 それから南風が吹くと、暑くなるだろう、と言う。果してそのとおりになる。
12:56 偽善者よ、あなたがたは天地の模様を見分けることを知りながら、どうして今の時代を見分けることができないのか。
12:57 また、あなたがたは、なぜ正しいことを自分で判断しないのか。
ルカ書


*デビッド・ブレインと共にwこの記事の頃には我々は次の大統領を予感していました。

予兆は明確にあり、トランプ新大統領はブラックスワンではありません。

トランプを早い時期から支持していた政治家にプーチンがいて、積極的に支援した投資家にピーターティール(『Zero to One』)がいたことは記憶されて良いと思います。

未来はたしかに輝かしいものである一方で、現状(Status Quo)の中でうたた寝をしたい我々にとってはグロテスクなものです。深い眠りから覚め、現実を(未来を)直視すれば、それは明らかに素晴らしいものなのです。


【参考書籍】
グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命 (朝日新書)/朝日新聞出版

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問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論 (文春新書)/文藝春秋

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グローバリズムが世界を滅ぼす (文春新書)/文藝春秋

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4年前のスクールの参考書籍ですね。金持ち父さんことロバートキヨサキと共に紹介しています。まさにThink Big!

カリフォルニア州知事(2003年〜2011年)のシュワちゃん、ブッシュパパを副大統領としていた同じく俳優出身のレーガンを思い出します。ソ連を悪の帝国と呼び、強いアメリカを標榜し、そしてソ連の最後の書記長(最高指導者)となったゴルバチョフと握手を交わしました。