黒い犬と白い蛇、黒と白の相克 〜鬱を克服するだけではなく、利用する〜 | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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四ツ谷にありますバレリーナ専門の気功整体「まといのば」のブログです。
気功師から見たバレエとヒーリングのコツを公開します。
「まといのば」では、バレエ・ヒーリング・美容の各種セミナーを行っております。

国連の一機関である世界保健機関(WHO:World Health Organization)がうつ病患者のためにつくった動画がこちらです。

昨日の「鬱」講座の冒頭で紹介しました。

I had a black dog.
His name was a depression.




「黒い犬」が「鬱」です。 I had a black dog.
いわゆる過去形(Past tense)で書かれているのが印象的です。 I have had a black dog.ともいうべき内容だからです。彼はまだ黒い犬を飼っているのです。
ただ、すでに飼いならすことができるようになっています。

ですから、I had a black dog.なのです。過去ではなく、「切り離せている」というニュアンスです。


*2頭いる!!


12期ヒーラー養成スクールで紹介したトマス福音書(外伝)の一節を思わせます。

 イエスが言った、「あなたがたがあなたがたの中にあるものを引き出すならば、それが、あなたがたを救うであろう。あなたがたの中にあるものを引き出さなければ、それは、あなたがたを破滅させるであろう」 トマス福音書45:29-33


なぜDepressionが黒い犬なのでしょう。もちろん黒い犬とは比喩です。しかしここには単なる比喩以上の秘密が隠されています。

まさにインサイドヘッド(Inside Out)と同じです。映画Inside Outにおいては、基本的な情動(怒りや悲しみ、喜び、恐怖、不快)が人格化されていました(まさにキャラクター化)。

同様にDepressionも人格化されて、「黒い犬」となっています。

12期ヒーラー養成スクールのテーマであり、魔術を考える上で一つのプリンシプルとなっている「心の内容物の人格化」について、イスラエル・リガルディはこう書いています。

まず最初の段階として、魔術ではそれらに人格を与え、実体の形態をもつものとして調査し、明確な名称と性質を与える。自分自身の心の内容物に人間的性格や名称を与えるのは精神の性質である。(略)それらをコントロールする前に実体のあるような客観的形態を与えなければならない。それらに実体がなく、無定形で、自我によって認知されていなかぎりは、それらを正しく取りあつかうことはできない。だが、正統的な召喚の儀式により暗い下界の霊、即ち無意識の深い層に潜む概念であるコンプレックスが暗闇より魔術的三角形の中に物質化現象となって目に見えるものとして喚び出すことができる。(イスラエル・リガルディ「柘榴の園」)

「自分自身の心の内容物に人間的性格や名称を与える」。
このことが魔術の基本であり、ほぼ全てです。
そしてユングの言うように、その行為そのものは普遍的に行われていると言えます。
では、なにが魔術的であり、カバラ的かと言えば、それを意識して行うということです。

意識して、鬱に「黒い犬」と名付け、人格を与えます。
すなわち、「実体の形態をもつものとして調査し、明確な名称と性質を与える」のです。

そのことで克服することが可能になります。

専門家の診断によって、「黒い犬」と判定され、そこから巻き返しが始まります。
そして未来の(今の)視点からみたときに、突然に理由もなく「黒い犬」が人生に現れたと記述できるのであって、当時はそうは考えられないのです。考えられたときには、病と闘う準備もでき、かつ折り合いをつけることも可能になってきます。

そして折り合いがつき、かわいいペットとして「黒い犬」を飼えるようになると、イエスの言葉が重みをもって響きます。

 イエスが言った、「あなたがたがあなたがたの中にあるものを引き出すならば、それが、あなたがたを救うであろう。あなたがたの中にあるものを引き出さなければ、それは、あなたがたを破滅させるであろう」 トマス福音書45:29-33

引き出すとは端的に言えば、命名するということです。
「黒い犬」と名付けることです。


セミナーでは、鬱の機序として、ゴールの喪失、無限ループ、脳疲労(肉体とのアンバランス)の3つをあげました。
これを前提とすると、なぜ豊かな社会では鬱が急増するのか、なぜ成功者は幸福そうではないのか、なぜ成功者のダークサイドがあるのか、なぜうつ病患者に「がんばれ!」という声がけも「リラックス」というアドバイスも無意味なのか、そして、軽度中程度の鬱には運動が効果的なのかも見えてきます。

鬱は感染するという言い方があります。もちろん細菌やウィルスを媒介として感染するわけではありません。どちらかと言えばホメオスタシス同調です。
生理周期が同調したり(これはフェロモンの作用であることが知られていますが)、あくびが同調するのと似ています。集団発狂などもホメオスタシス同調です。




そしてなぜ鬱は感染力が強いのかも、上記の機序から論理的に考察可能です。鬱は猛烈なエネルギーをドブに捨てている状態です。ですから四六時中がんばっている状態であり、力や手を抜こうにも抜けないのです。まさにアンデルセンの「赤い靴」です。一度履いたら踊り続けるしかないのです。どんなに疲れていても、どんなに苦しくてもです。


その意味で鬱は情報です。
情報だからこそ、感染します。

感染する情報とは気功そのものです。

気功技術「鬱」をお互いにワークしました。
(驚くべきことに、かなりキツイ心理状態、身体状態になるにもかかわらず、もっと苛酷な体験をしたいという人が全受講生の9割以上を占めていました。さすが「まといのば」に来るだけあって、火中の栗を拾いに行きます。いや、火に飛び込む蛾のようでもあります。いずれにせよ、その意気やよしです!)

鬱に対して、脳幹という技術があります。

鬱とはイメージで言えば黒い脳幹、そしてその鬱をキャンセルする技術が脳幹という白い脳幹の技術です。

黒と白です。


*黒と白


従来の「脳幹」という技術は以前はあたためて溶かして、ゆるませるという技術でした。
かなり良い技術です。脳疲労が回復します。
ただ、前回のスクールの「光と闇」以降は、その理論と技術を使い、光を照射して闇をあぶり出すというスタイルに変わっています。より効果的になっています。

黒い脳幹の鬱にたいして、白い脳幹は有効なのですが、鬱をキャンセルするだけではなく、その先へ行くということでクンダリーニを応用した「白い蛇」なる技術を公開しました。
脳幹からスタートとして脊髄を下に仙骨へ伸びていく白い蛇です(白い蛇とは言うまでもなく日本では神様、もしくは神様の使いです。キリスト教ではヘビはサタンの象徴ですが、仏教でもヘビはありがたい動物です。そもそもクンダリーニはヘビであり、龍です)。

クリエイティブな人は鬱々としているものです。
同じことを考え続けるのと無限ループは外から見ると似ています。
IQが上がると、より孤独になります(「アルジャーノンに花束を」に描かれているとおりです。世界のうちで本当に理解し合えるのは、同じ運命を一足先にたどったネズミのアルジャーノンだけだったということころに、主人公チャーリーの深い孤独と絶望と悲惨があります)。
社会が豊かになると、鬱が増えるのは、IQが上がると鬱が増えるのと同義ということです。豊かな社会とはIQが高く、抽象度の高い構成員によって組織された社会だからです。
そして「豊かな社会」はサバイバルするというゴールを失った社会でもあります(よくよく考えれば、生存の問題は依然として残っているのです)。
ですから、我々はパラレルワールドにマッド・マックス的な世界をいつも想定する必要があります。


*マッド・マックス的な世界、腕っぷしと暴力がモノを言う世界をいつも想定することが、逆説的ですが、現代の情報社会を生き残る秘訣かと思います。なぜなら我々は脳だけではなく、肉体を持って生まれてきたからです。我々は「頭ばっかり」を使う生活になっていますが、プチダノンの懐かしCMではないですが「頭ばっかりでも、身体ばっかりでもダメ」なのです。


身体のマッド・マックス化を強烈に促すのが「白い蛇」という気功技術です。
使っていると、落ち着きのない子になりますw
落ち着きなく動きながら、ふと思い出します。
親から、教師から、そして誰かから「じっとしてなさい!」と怒られたことを。


黒い犬も白い蛇も我々は構成する重要な部分です。

その相克こそが人格を象ります。




そんなわけで、追加開催もお待ちしております!!!

【はじめての気功 「鬱」講座~急増する鬱に対してヒーラーとしてどう対処すべきか~】
【日時】(追加開催決定!!) 9月7日(月) 19:00~21:30
【場所】 東京・四ツ谷の「まといのば」のセミナールーム
【受講料】  20,000円
【受講資格】 ブログ読者
【持ち物】 互いにワークをするので動きやすい服装が望ましいです。
【お申し込み】お申し込みはこちらから。


秋は講座もスクールも盛りだくさんですので(まさに「学びの秋」!)、一覧を参照してください。

今週開催の講座とスクールはこちら。

【まといのば講座「西洋魔術の真髄に迫る ~学びの「陰と陽」~】
【日時】 9月4日(金) 19:00~21:30
【場所】 東京・四ツ谷の「まといのば」のセミナールーム
【受講料】  20,000円
【受講資格】 まといのばスクール修了生
【持ち物】 筆記用具と情熱
【お申し込み】お申込みはこちらから。


【気功整体師養成スクール7期「闇の気功整体」 ~使い魔と神様の活用法~】
【日時】 9月5日(土) 13:00~18:00
     9月6日(日) 13:00~18:00
【場所】 東京・四ツ谷の「まといのば」のセミナールーム
【受講料】  23万円
【受講資格】 まといのばセミナー受講生
【持ち物】 筆記用具と動きやすい服装
【お申し込み】お申込みはこちら!


【書籍紹介】
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