「しなやかなマッチョ」への道 〜体重が落ちたときは、筋肉が落ちた時なので(^^)〜 | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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体重と体脂肪率をきちんと測って(体水分量も)、実際に筋肉量を調べると面白いことが分かります(筋肉量が出てくるものもありますね)。体脂肪計はインピーダンスでの推定値なので、多少の誤差はありますが、ざっくりと変化率を見るには便利です。350kgと結果が出ている人が、実は50kgでした!ということはありえませんので。

身体の変化においては、その変化率が重要で、測定値の厳密性など不要です。

で、何が面白いかと言えば、体重が落ちたときは大体は筋肉が落ちた時ということです。

ウェイトリフティングやボディビルディングをしている人々がいるロッカールームで、聞くとはなしに聞こえてくるのは、体重の話です。しかし我々とは異なり、彼らの価値観は全く逆です。

体重が減ると嘆き、体重が増えると喜びます。
僕らは体重が増えると嘆き、体重が減ると喜びます。全く逆です。

なぜでしょう?



単純です。

体重が増えると筋肉がついたということです。厳しいトレーニングによって筋肥大ができたときに、体重が増えます。それに対して、すこしでもサボってしまうと、筋肉はてきめんに落ちていきます。よくダイエットをしていて筋肉が落ちないという人がいますが、それは大きな勘違いです。落ちる筋肉以上に、良くも悪くもハードに鍛えているのです。無意識に鍛えているので、筋肉が落ちないと感じるのです。

ちなみに姿勢が悪いということは、それだけ筋肉に必要以上の負荷をかけているということです。片足で立って、アンバランスな格好で数秒間立って見れば分かります。きちんと姿勢を正しくしたほうがはるかに楽です。楽ではないのは、脳だけです(正しい姿勢に慣れれば、それはもちろん脳にとっても楽になります)。

たとえば、膝裏を伸ばさなければ、24時間スクワット状態ですし、踵をきちんと接地しなければ(できない人もいます。足首の柔軟性というのは肥満にも関わるのです)、つま先立ちを続けることになるので、足全体は太くならざるを得ません(バレリーナのつま先立ちとはワケが違います)。骨盤をきちんと使って、引き上げないと、腰回りの筋肉を相当に無駄に使用するために、その筋肉は肥大します。骨盤底筋群を使わなければ、大殿筋や中殿筋が無駄に肥大します。実際には、それでも支えきれないので、ごまかしながら身体を運用しています。

また、たとえば、我々はつい重い腕をささやかな筋肉で持ち上げて使っています。いわゆる肩を上げている状態です。そうすると、肩周りから周囲の筋肉は相当に鍛えられます(悪い意味で)。

これが現代人の我々の姿勢と筋肉にまつわる状態です。

「楽な姿勢」というのは「脳」が楽なだけです。なぜ楽かと言えば、慣れているから楽なだけです。良い姿勢というのは筋肉にも、翻(ひるがえ)って脳にとっても本当は楽なのですが(計算量が少なくて済むので)、ただ間違ったフレームをきちんと書き換えるには、相当なパワーが必要です。

ですので、悪い姿勢、楽な姿勢(定義が厄介ですが、我々の通常の平均的な姿勢とざっくりと考えて下さい)は、相当にハードな筋肉トレーニングということです。ですので、足腰も腕もが太くなります。ただ、重要な体幹に関しては鍛える必要を感じないので、だらしなくなります。必要を感じないのは我々の勝手な思い込みですが、ただ、周りに合わせてしまう(アナロジー思考)のが我々の習性なので仕方ない部分もあります。


話を戻しますが、体重の増減は基本的には筋肉の増減です。

身体とは乗り物であるというのはYogaだけではなく、かなり万国共通の考え方です。まあ、そこに乗っているのが魂というホムンクルスというか情報であるという考え方はいろいろあるにせよです。

で、その乗り物を整備しましょうというのは極めて重要な考え方です。
健康に対する願望も、そこから来ています。


細マッチョあらため「しなやかマッチョ」という考え方で「まといのば」が導入したいと思っている身体観も同様です。乗り物の整備をすすめましょうということです。身体は本来は高級車なのだから、ハイオクガソリンを惜しみなく入れてあげましょうということです。レギュラーガソリンを入れてもいいのですが、そうすると情報空間にせよ物理空間にせよ限界まで疾走するのに、不都合を生じます(情報空間と物理空間が別だと言っているわけではありません)。まあ、でものんびり走る分には問題ありません。ただ、我々は疾走したいのです。

ですので、しなやかマッチョを志す人は、まずは体重を増やそうと決意することです。もちろんほとんどが脂肪にしかならない炭水化物で体重を増やすのはナンセンスですが(笑)、ちなみにその炭水化物を三温糖に変えようが、五穀米にしようが、玄米にしようが純度が下がったSugarでしかありません。「洋菓子を和菓子に変えました!」「お菓子をご飯(お米)に変えました!」」というのは素晴らしいことですが(少しだけ栄養価が上がります)、化学の目から見れば、糖から糖への移動です(僕もこの点は深刻に間違えていました。スコトーマが深すぎました)。精製された糖から、精製が不十分で不純物の多い糖に移動するだけです。吸収がゆるやかになっても、吸収されることには変わりません。ヘロインからマリファナに移動したようなものです。

炭水化物を摂らなければ(それでも微量な糖質は必ず摂ることになりますが、肉であってさえ)、基本的には身体は筋肉と中性脂肪を分解して、糖新生をします(解糖系のいわばインバース=逆関数ですね)。

しかし、ここでの糖断食は断食よりキツイと思ったほうが良いと思います(実際にそうなので)。
糖断食が大変ではないという人は隠れてか、自分が気付かないうちに炭水化物(糖質)を摂っているのです。
ちなみに野菜にも糖質はかなり入っています。

筋肉をつけるためには、それを支えるタンパク質(プロテイン)が必要です。タンパク質を摂取して、その上できっちり追い込んだ運動をすることで、筋肉がつきます。追い込んでいない運動をしたところで、筋肉が落ちていくだけです。

なぜ筋肉が最初に落ちるのでしょう?
脂肪は落ちないで筋肉が落ちます。なぜでしょう。

このカラクリを知れば、ダイエットがなぜ失敗するのかの理由が分かります。

とは言え、人口(じんこう)に膾炙(かいしゃ)している事実だと思いますが、カロリー制限(食事制限)をすると、飢餓モードに入ります。筋肉の代謝の際に、筋肉を減らします。筋肉を異化することをすすめ、同化をやめます。筋肉を分解するだけで、筋肉を再生しないのです。

飢餓モードなので、動かずにじっとして、頭を動かさずにその場をやり過ごすことを目指します。動かないで寝ている感じです。鬱のような状態になります。ただ、そのときに猛烈に筋肉は落ちます。
落ちた筋肉は糖新生されて、エネルギー源になります。脂肪は飢餓なのでますます貯めこまれ、筋肉が落ちます。


*冬眠するクマさんは炭水化物を摂取して脂肪を溜め込みます。


これは素晴らしい進化の賜物です。

なぜなら、筋肉を落とせば基礎代謝が落ちるし、エネルギーは手に入るし、大事な貯蔵庫である脂肪に手をつけなくて済むからです。省エネです。

ですから、ダイエットがうまく成功すると(成功する場合はですが)、体重はたしかに落ちるのですが、むしろ筋肉が落ち、脂肪は現状維持か、もしくは増えます。

飢餓への対策なので当然です。

もちろんそのまま脂肪も燃焼させるところまで、追い込めれば最高ですが、しかし、そのときにますます筋肉も落ちています(修行中のお坊さんのように小食でガンガン働くならまた別です。また別ですが、これもまた僕は少し問題だと考えています。砂糖農場で働く奴隷と同じく、穀物の糖で中毒として動いている可能性を少し感じるからです)。

ですので、ダイエットが成功した暁には筋肉が落ちた身体と、減っていない脂肪を抱えることになります。もちろんダイエットが終わって、通常の状態に戻れば、筋肉は戻らず、脂肪が増えるだけです。飢餓と飢餓の間の一瞬の収穫の時代だと脳は判断するからです。貯めこむだけ貯めこまないと次に備えられません。

という話は、当然ながら多くのダイエット本には書いてありますし、周知の事実でしょう。


そして、これは単なる化学反応でしかないので、我々としては、「しなやかマッチョ」の理想的な身体を創るのであれば、まずはガウスではないですが、そしてマキャベリではないですが、土台をつくり、足場をつくることに専念すべきです。しっかりとした筋肉をまずつけてしまうことです。

どんなにがんばってもそうはムキムキにはなれません。
本人にとっては劇的な変化でも、周囲は変わったとみなさないレベルでしかムキムキにはなりません。

そしてきっちり筋肥大したとしても、その足場は身体がしなやかマッチョとして完成した暁には取り払われます。この取り払われ方の鮮やかさこそが、この「しなやかマッチョ」計画の醍醐味だと僕は思っています。

では、脂肪についてはどう考えればいいのでしょうか?

単純です。

脂肪のことは思い煩うな、です。

最近の「はじめての気功」講座でFATという非常に面白い技術を配りました。これはかなり面白い技術で、もちろん「しなやかマッチョ」の際も導入します。ここでのポイントは、脂肪は悪ではないということです。脂肪は素晴らしいものです(デブが素晴らしいと言ってはいません。デブは代謝異常です。メタボリックの名のとおりです)。その素晴らしさを最大限生かせれば、車としての身体はますます磨かれます。

たしかに肥大した脂肪細胞はインスリン抵抗性などを示しますが、これも単なる化学反応です。脂肪が悪いわけではありません。過剰な糖を中性脂肪の形で押しつけた我々の問題です。

我々はきちんとタンパク質(プロテイン)を摂取し、筋肉をつけていきましょう。
理想の身体を実現するための、土台と足場を創ることに専念しましょう。
そしてハタを中心として、運動負荷を24時間かけていきましょう。


しなやかなマッチョは男性も女性も目指すべき理想であり、すぐ隣の未来だと思います。

エレガントな身体、美しい身体というのはそれだけ圧倒的な説得力があります。そしてもっとも恩恵を受けるのは自分自身でしょう。IQも知力も体力も、もちろん社会に果たす機能も別次元になると思います(思いますというか、なります)。これまで腑に落ちない様々な現象も綺麗に解決するのではないかと思います(というか、解決します。そしたらまた次の系へ移動しましょう)。

我々の遺伝子に書き込まれている青写真というとスピリチュアルっぽいですが、これはエピゲノムです。セミナーでも何度か繰り返していますが、我々は本来はDNAに書かれた青写真は高級車であったのです。たとえば、浅田真央選手や羽生選手、現在の若手バレリーナの美しい身体というのは日本人の進化の結果として考えるにはありえないのです。人間のような生物が数世代で進化したらダーウィンも真っ青です。いやその可能性はもちろんあるのですが、そうではなくこれはエピゲノムで考えるべきだと思います。すなわち適切な環境下におかれると人間はそうなるということです。ローヤルゼリーを食べると女王蜂になり、花粉などを食べていると働き蜂になるのと同じです。

素晴らしいある意味でバラ色の未来はいくらでも描けますが、描くことは意味があるとは思いません。分かる人が分かれば良く、分かる人たちだけが実践する中で、それは次世代の常識になるからです。
ただ過渡期の我々は非常にハードです。それだけに、内なるフレームをどれだけ知性によって更新できるか、そして冷静に圧倒的な情熱をもって日々生活できるかにかかっています。ただ仲間がいるというのは大きな救いになると思います。

しなやかなマッチョになって、物理空間も情報空間も華やかに疾走しましょう!




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