エイジングで若返るための3つの視点と由美かおるさん | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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「まといのば」では、バレエ・ヒーリング・美容の各種セミナーを行っております。

昨日開催された「エイジング」講座では、アンチエイジングあらためエイジングということを、3つのフェイズで考えました。

「まといのば」では美容気功というのは1つの大きなジャンルを占めており、美肌クリームという気功技術のシリーズだけではなく、この「エイジング」の技術もその一角を占めています。ただ数年前に開催したきりで、その後は公開されることがなく、新しいメンバーにとっては楽しい講座であったのではないかと思います。

当時でも十分に難解であり、3日かけて現在のスクールのような感じで開催したのですが、今回は「はじめての気功」の枠組で2時間で一気に駆け抜けました。


アンチエイジングからエイジングに名称を変えた理由はシンプルです。時の流れに対して棹をさすことはあまり意味がなく、時の流れを否定することも意味が無いからです。そうではなく、むしろ時の流れを積極的に肯定して、それを加速させましょうというのが、今回のテーマでした。

ただ技術やレクチャーの内容は数年前のアンチエイジング講座の3回シリーズを完全にトレースしています。A,B,Cの3講座を完全になぞった上で、技術や理論をより洗練させて2時間に凝縮しました。このようなことが可能なのも、最近とみに受講生のレベルがあがり、場が進化しているからでしょう。

エイジングというのは、誤解を恐れず単純化して言えば、若返りということです。若返ると言っても赤ん坊や幼児、児童になるわけではなく(なっても嬉しくないですが)(しかし、動物の世界では飢餓状態にさらされるとそのようなことが起きる例があったと記憶します)、高機能で快適な身体を維持するということです。

最近は多くの方が異常な若さを維持されていますが、何と言っても一番有名なのは講座でも取り上げた由美かおるさんでしょう。水戸黄門のお銀でお馴染みです。

そのスタイルは40年前と同じだそうで、Youtube上からあまり消されなさそうなCM動画と消されそうな(テレビ番組なので)入浴シーンシリーズを紹介します。





由美かおるさんの美容の秘訣の1つはよく知られているように西野流呼吸法でしょうが、西野流呼吸法は西野皓三先生創始の体操法で、CMの中での動きも呼吸法かと思います(僕自身も青山の教室には通っていました。ずいぶん以前になります)。

いわゆる伝統的な気功の操法やバレエの動きを組み合わせて合理的に組み上がっています。熱性の気の傾向が強く、体感が強いのが特長であるという印象です(決してオススメしているわけでも、オススメしないわけでもありませんので悪しからず)。


で、本題のエイジングの3つの視点ですが、1つ目は生体の細胞レベルです。そこでのキーワードは代謝と循環です。代謝を高めましょうという安易な話ではありません。「ゾウの時間、ネズミの時間」(両者は同じ生命時間の長さということです。両者とも15億回なり20億回の鼓動を打つと寿命を迎えます)を取り上げるまでもなく、高い代謝は命を削ります。そうではなく身体の循環を良くするために代謝を高め、高圧ホースの要領で身体の隅々まで通りを良くしたら(循環を改善したら)代謝を落としていきます。仙人やYogiの感覚です。

2つ目が生体の個体レベルです。個体全体のゲシュタルトを考えます。筋骨格系から考えて、身体をどう鍛えるかが課題になります。いわゆるアスリートが老化するのは、単に筋肉は使えば衰えるという話ではありません。使わなくても筋肉は衰えます。廃用性筋萎縮です。いわゆる「廃用」ですね。スポーツ選手は全身を使いますが、しかしその使い方はどうしても単調になりがちです。別な言い方をすれば酷使です。それゆえ老化は避けられません。では、どうすれば良いか。できる限り、全身をそれも臨場感を維持したまま使うことです。スポーツの問題は、スポーツは身体という物理レベルよりも、ルールや競技などの情報レベルにかなりウェイトがある点です。


3つ目が時間です。細胞、個体と来て、最後が時間です。時間を稠密にするということです。
ここで思い出すのは、「飛んでいる矢は止まっている」のゼノンの逆理です。1分間で無限を数えられます。時間は無限に分割でき、その無限の分割された時間を体験できれば、我々は永遠の命を得られます。

しかしゼノンの逆理は単なる観念の遊戯にすぎません。飛んでいる矢は飛びますし、1分を無限に分割して、無限を1分間で数え上げることはできません(理論的には、先日の寺子屋でやったように、1分の半分の30秒で「1」を数え、その半分の15秒で「2」を数え、その半分の7.5秒で「3」を数えれば、以下同じように帰納的に続けると1分経つときに無限を数え終わります)。

ただこのアイデア自体は、かつてのアンチエイジング講座でも、今回のエイジング講座でも紹介したウィリアム・ブレイクの詩を思わせます。ある瞬間が永遠とつながるという体感は存在します。

(引用開始)

To see a World in a Grain of Sand And a Heaven in a wild Flower
Hold Infinity in the palm of your hand And Eternity in an hour

William Blake A!uguries of Innocence

一粒の砂に世界を見、
一輪の野の花に天国を見る
手のひらに無限をつかみ、
一瞬のうちに永遠をとらえる

(引用終了)

ファウストが「時よ止まれ、お前は美しい」と言ったときは、その刹那が永遠とリンクしたからこそ、「止まれ」なのだと思います(以下は、森鴎外の翻訳。青空文庫からです)。自分が理想とする自由な土地がいままさに造られ始めたことを確信したからこそ(それが妄想に過ぎなかったにせよ)、理想の未来と現在が1つになりその瞬間の絶命も厭(いと)わなかったのでしょう。

(引用開始)
己は「刹那」に向って、
「止まれ、お前はいかにも美しいから」と呼びたい。
己のこの世に残す痕は
劫(こう)を歴(へ)ても滅びはすまい。
そう云う大きい幸福を予想して、
今己は最高の刹那を味うのだ。
(ファウスト倒る。死霊等支へ持ちて地上に置く。)

(引用終了)

そのような瞬間が一生に一度でも訪れればその人生は幸いなのでしょうし、我々としてはその確度を高めるように人生をデザインするしかないと思います。それが3つ目の視点のポイントです。時間の流れを早め、稠密(ちゅうみつ)にしていくことです。


というわけで、エイジングは、細胞、個体、時間の3つの視点で若返りや永遠の命というテーマを考えます。次回の追加開催は来週の火曜日です。かなり難解ですが、ご参加をお待ちしております!詳細はこちら

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【参考書籍】
ずいぶんと以前に紹介した本です。
代謝や生命時間についてのヒントがあります。

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)/中央公論社

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ファウスト〈第一部〉 (岩波文庫)/岩波書店

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ファウスト〈第二部〉 (岩波文庫)/岩波書店

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ファウスト (まんがで読破)/イースト・プレス

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