アニメーションとはアニマが語源です(アニマ・アニムスと言えばユングですが、それはさておき)。
アニマはラテン語のAnimaで魂とか光とか息などの意味で、今回の8期のテーマでもありました。男性形のアニムスとセットで。
アニメーションとは平たく言えば、ただの絵でしかないものを、パラパラ漫画にすることであたかも命をもって動き出したかのように見えるということです。
アニメとは絵に命を吹き込むことだというメタファーを込めて、アニメーションとつけたのかもしれません。
一コマ一コマを描くのは大変な作業ですが(ジブリは手描きにこだわります。コンピューターは繊細に見えて大味なのです。人間の手によるゆらぎが無くなるのかと推測します。CGだけでも手描きだけでもなくその融合が重要かと)、それをパラパラさせると思いがけない楽しさが生まれます。
学校の授業の暇つぶしに教科書の隅や辞書の隅にパラパラ漫画を描いた人も多いのでは。
パラパラ漫画といえば、鉄拳さんのこんな動画も話題になりました。
(リンク切れのため動画を入れ替えました2021/12/18)鉄拳「振り子」(なんで音楽をつけたのか、、、)
ゲーテのファウストの一節「時よ止まれ、お前は美しい」を引くよりも(ウィリアム・ブレイクの一節を引くよりも)、いまの若い人にはこのアニメーションのほうが伝えたい意図が伝わるかもしれません(ゲーテのではなく、「まといのば」の時間に対するコンセプトです)。
8期5講で紹介したウィリアム・ブレイクの「無知の告知」の冒頭はこちら。
一粒の砂に世界を見、
一輪の野の花に天国を見る
手のひらに無限をつかみ、
一瞬のうちに永遠をとらえる
アニメということで8期で紹介したのはこちら。
ワルプルギスの夜が一つのテーマな部分が、ゲーテのファウストと共通します。(と強調しておきます)
一つ一つのセル画はバラバラの絵です(そう言えば7期の開催中にまどマギを観に映画館に言ったら、セル画をもらいました)。
しかしそれをパラパラとすることで、一つの動画のように見えます(というかそれが動画そのもののカラクリです。動画とは静止画の行進です)。
パラパラ漫画になると我々にはなめらなかに見えるように、離散的なものを連続的に感じるのが、脳の機能です。これを直感的にも理論的にも理解し腑に落とすことはヒーラーにとって重要です。
ただ誤解しないほうが良いのは、パラパラしているから生命が宿る(アニメーション)なのではなく、生命が生命を生み、それを生命が観測するから命が吹き込まれるのです。セル画とパラパラは単なる媒介(メディア)にすぎない(もちろんメディアも生命なのですが、それはまた別の話)
生命が生命を産むという視点はこれから重要になるかと思います(という話を昨日の懇親会のときにしましたね。麻布中学の問題はともかく、ドラえもんは生物なのです。多分。アシモフの「聖者の行進」に含まれる短編「バイセンテニアル・マン」はロボットの公民権運動を描いています。SF作家は未来からの情報をいつも届けてくれます。我々が正しく受信できるかどうかは別として)。
バイセンテニアル・マンが原作の映画「アンドリュー」(これも以前紹介していますね)
原作はこちら。
聖者の行進 (創元SF文庫)/東京創元社
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これは鉄拳さんの振り子からのジョークです。
ウンベルト・エーコは薔薇の名前でも紹介していてお馴染みですね。
フーコーの振り子〈上〉 (文春文庫)/文藝春秋
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「フーコの振り子」の下巻がなぜかリンクできません。
あ、鉄拳さんのDVDもリンクします。
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