『いつものように毅然としていられなくなったら、疲れている証拠だ。
疲れていると、わたしたちは溜め息をつき、愚痴を口にし、後悔を口にし、ぐるぐると似たようなことを考え、そのうち憂鬱なことや暗いことが頭の中を勝手に動き回るようになる。
それは毒を吸うようなことだから、疲れたと感じたら、考えることをやめ、休んだり寝たりするに限る。そして、また毅然として活動できるように明日に向かって備えよう。』(ニーチェ『悦ばしき知識』)
この文章は「悦ばしき知識」からの一節であり、言うまでもなくニーチェの言葉です。１００年以上前に書かれていますが、私達の胸にダイレクトに届きます。
震災は続いていますが、テレビメディアの情報は次第に繰り返しが増え、いつものように「洗脳的」で視聴者にいかに「トラウマ」を植え付けるかに躍起になっているかのようです。もちろん長期的な目標というより短期的に視聴率を得るために、刺激と物語を過剰せざるを得ないのでしょうが。
情報はやはり速報性を考えてもツイッターやネットからで十分かと思います。
ネットは玉石混淆ですので、堀江貴文氏がソーシャルフィルタリングと呼ぶ手法、すなわち人によるフィルタリングが必要かと思います。ネットにある全ての情報に目を通すのは、Googleのロボットにしか最早不可能です。また多くに目を通す意味もありません。
最初は大量の情報を取り入れ、ゲシュタルトを繰り返し創っては壊し、抽象度が上がったところで、人によるフィルタリングをすることだと思います。人をどう選択するかで情報をフィルタリングします。
かつては大メディアがそのフィルターとなっていました。今はその機能を終えつつあるようです。
フィルター選びを主体的にやらないと、ホメオスタシスは受動的にフィルタリングします。すなわち声の大きい抽象度の低い、情動を刺激する情報を採用します。それは最悪です。
僕自身は意見の多様性がそれほど重要だとは思いません。民主的な手法とは、チャーチルではないですが、最悪の手であるが、歴史的には最善と言わざるを得ないと思います。
もちろん「寛容であること」、「多様性を認めること」は重要です。でも情報を取るときにわざわざ積極的に多様性を担保しようと、ジャンク情報をあさる必要はありません。ジャンクはどこまで言ってもジャンクです。
数学や科学が多数決で決められるはずもないのです(歴史はしばしばその逆を示しますが)。
今回の騒動でも原発の不安要因が大きいのですが(たとえ原発が事故らなくても、他でいくらでもパニックになるでしょうが)、大前氏や苫米地先生、堀江さんが示したように大枠の結論は出ています。
東京電力の頑張り次第ということはありますが、飛行機に乗っても、電車の乗っても、その意味では、我々はいつも少数の人間に命を預けていることは間違いありません。
煽るのがお仕事の方もたくさんいます。不安を扇動し、パニックを醸成するのがお好きな方もたくさんいます。
無知であるならば沈黙すればいいのに、知らないことをさも知っているかのように大声を張り上げる方もいます。
それは思想信条の自由であり、表現の自由なのでしょう。
ただ我々は大騒ぎする方々を尻目に、日常生活を取り戻しましょう。アドレナリン・ジャンキーはいつでも非常事態と危機を求めています。
僕等はまずリラックスしましょう。もっと深いリラクゼーションです。
まず内側の静けさです。内側の静けさが、外に広がります。
周りが騒然としていても、自分が静かならば宇宙は静けさを取り戻します。
静けさを思い出し、取り戻すためにも「古典」はお勧めです。
例えば、ニーチェであり、幸福論のアランであり、空海です。ここに本当は新約聖書のイエスも付け加えたいところです。
パラッと開いて好きなところを読める箴言集は気楽です。それでいて深いです。
哀(かな)しい哉(かな)、哀しい哉、復(また)哀しい哉。
悲しい哉、悲しい哉、重ねて悲しい哉。
とは、空海の「遍照発揮性霊集」です。
古典とは徹底的なソーシャル・フィルタリングを経た結果、我々の目の前にあります。
幸せだから笑うのではなく、笑うから幸せなのだ、とはアランの言葉です。
古典を読み、多くを学び、颯爽と行動して、抽象度の高いゴールの臨場感を維持しましょう。
時間は、明るく輝かしい未来からしか流れて来ないので
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さりげなく、苫米地本の引用が３６５本散りばめられているのがこの苫米地手帳です。
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