経済の勉強にもなり、現状の日本の状況も簡潔にわかりやすく書いてある本を見つけました。
一気に読み終えましたが、非常にためになりました。
- 略奪大国~あなたの貯金が盗まれている!~/ジェームス・スキナー
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著者であるジェームス・スキナーは、「成功の9ステップ」「お金の科学」等の著作が有名。アメリカ国務省、世界最大級のコンサルティングファームの日本支社長等を務めており、実務家としても偉大な評価を受けている人です。
今の日本の財政状態がどれだけ危機的であるか、世界の不況がなぜ起こったか、実際にプレイしている人たちと近い感覚で現実の数字を用いて教えてくれます。
また、引用している例も身近な例を用いていたり、ドラマ仕立てだったりとわかり易いです。
これは、今の日本の財政状態や経済に興味ある人、自分の知り合いには全員に読んでほしい本です。
さて、本の内容とは別に、軽く日本の政府の財政についてポイントを書いてみます。
・国の債務残高は900兆を超えていて、法律により年1.6%しか返済できない。
・日本の国債の94%は日本人が保有
・日本の政府の税収が42.2兆円しかないにも関わらず、予算が228兆円も組んでいる。
・日本の政府の支出の内大きなものが、国債の利払い等国際費用82.2兆円、社会保障費用75兆円
→つまり、日本は借金して社会保障費を支払い、借金で借金を返しているわけです。
借金を借金で返すのが認められるのは、借り手に信用があるからです。
当然返すあてがあるから認められるのです。しかし、今の予算では返すみこみは有りません。
また、資本主義経済でいえば、借金の利息は投資先の運用益の分配金として支払うべきです。借りたお金で利息を払っていては、借金が雪だるま式に増えていき、破産します。
社会保障だって、消費税を増税して全部充てたとしても、10%じゃとても足りません。良く政治家が持続可能な社会保障制度の確立なんて言ってますが、収入ないのに借金で賄っているようでは到底無理です。
各論ばかりどれだけ詰めていたって、問題の先送りにしかなりません。
何故今の状態でなりたっているかというと、日本国民の金融資産が1400兆円あるからというのも一つの理由ですが、実は後3年程度で国債の発行額がこれを上回ります。近いうちに、日本人の預貯金は全て国債に奪われます。
今の政府の状態を普通の人にあてはめて考えた場合、これだけ借金の返済が厳しくなった人が通常取る方法は以下の二つです。
①リ・スケジュールをして返済期間を延ばす。
②利息の払いを免除してもらう。
①については、すでに年1.6%を上限として返済するという法律があります。これ以上返済伸ばして借金重ねていってもすぐに利息の支払いが収入を超えてしまいます。
②これをやると日本の銀行がすべてつぶれます。預貯金の利息他が支払えなくなるからです。
また、これとは別に利息の支払いができないとなると、事実上債務不履行(デフォルト)とみなされ、
海外の投資家が持っている60兆円程度の国債が売られて、一気に国債が暴落することも考えられます。
つまり、日本はもう十分やばい状態であるということです。この国債のデフォルト説は色々なところで叫ばれていますし、反論ももちろんあります。
一番有力な反論は、94%国民のお金で買っているから大丈夫という論です。
しかし、5,6%といえでも海外投資家が持っている債権は額にして50~60兆円あります。レバレッジをきかせて売り浴びせられれば、国債の価値維持は非常に厳しいと言わざるを得ません。
また、実は日本の金融機関は中長期の国債については、むしろ日本国債を売って外債を買い始めているそうです。
どこで国債暴落の引き金ひかれるかはわかりません。
景気っていい時もあれば、悪い時もあるよね。なんて、根拠もなく過去の歴史からなんとなくそういうものだと、漠然と思ってました。
失われた10年とか、いつか抜け出すだろうと、日本はなんだかんだで一つ落ちたけど世界三位の経済大国だし大丈夫だなんて思いこんでいました。でも、少なくとも頭働かせてみると、今の現状のままで明るい将来は全く見えません。
ゆがんだ政治に任せていたら国債はデフォルトせざるを得ません。デフォルトした場合せっかく気づきあげてきた資産が一瞬で消し飛びます。その場合、ハイパーインフレになるか、金利があがるかどのようになるかはわかりませんが。
これに対して自分に何ができるかって、危機意識を少しでも多くの人と共有することしか今の所ありませんが、ぜひ皆さんも自分で調べて、色々な本や情報を集めてみて、将来どのように備えていくべきか考えてほしいなと思います。
これ、自分が調べた限りでいえば、普通に暴動起きてもおかしくないくらいひどいよ?