年に1度、医師団の巡回診療というのがあって
サンタマリア保健所にももれなく医師団(医学生の団体)がやってきました。
去年、はじめてそれを知った時は
ただただすごいなーってそれだけだった。
だって、たいして周知もしないのに
当日は普段の3倍4倍の住民が診察をうけにやってくる。
なぜかというと、
彼らは医薬品も大量に持ってきてくれるし
診察はただ、薬もただ だから。
ちなみに普段の診察時は
1家族Lps.10~25(約50~75円)薬代は保健所にあるものであれば無料。
保健所に薬がなければ薬局で自分で購入 という具合。
診察代そのものは住民にとってもすごく高い値段設定でもありませんが
なかなか払えないという人もいる という感じ。
それが、当日は全て無料。
糖尿病の人が必要とするインスリンだとか、すごく高い薬も全てただ。
住民にとっては本当にありがたいですよね。
こっちの医師や看護師にとってもありがたい。
医学生にしてみても、たぶん実習みたいな意味合いが含まれているんだと思うし
ボランティア活動とか単位取得のようなことに関わっているから
全ての人にとって利益のあるような活動 にみえる。
そういう善意を否定するつもりはないけど
もやもやして、彼らを手伝う気になれない私。
なぜかって
この1年をこの地で過ごしてきて、私は知ってしまったから。
本当に医療を必要とする人の手には何も届いていないってこと。
医師団がやってきたときに保健所に集まってくるのは
保健所の近くに住む住民。
しかも、順番をじーっと待っていられる元気な人だけ。
私のステイ先を例にとれば
家族は交代で保健所にいって
頭が痛い、胃が痛い、熱がある、食欲がない と一通りのこと(嘘)を訴え
解熱鎮痛剤、抗生剤、ビタミン剤、胃薬 などなど
それぞれがビニール袋いっぱいに薬をもらってくる。
生後2ヶ月に満たない子どもでさえそこに駆り出され、
熱がでている、顔にできものがある、よく吐く などなど
薬を与える前にできることはいくらでもあるでしょ!?ということを並べ
やっぱり薬をもらってくる。
薬をだす医者も医者だと思うんだけど
この地では薬をだせばだすほど いい医者だと認めてもらえる。
求める薬を求めたとおりに処方してくれる人
求める薬以上にいろんな薬を処方してくれる人
融通の利く人が重宝されるのです。
たぶん医師団のほうも、薬をはけさせて帰りたいから
どんどん どんどん 処方します。
彼らの活動をぽーっと眺めて思うこと。
これって誰かのためになってるんだろうか。
誰かに不利益がでているわけでもないからいいのだろうか。
団体を派遣する側に経済的な問題が起こらなければ
こういう活動はやむことがないんでしょう。
でもね
本当に彼らを必要としている人は
もっともっと交通の便が悪いところにいて
保健所にくるためのバス代ももっていなくて
診察代だって支払いが難しくって
たとえ診察にきたところで
病院への紹介状が必要な状態にまで悪化していて
でも
病院にいく交通費もなければ入院費やその期間の食事さえままならない。
医師団をそんなところに派遣すれば
効率が悪くてしかたないってことなんだろうけど
せっかくの医学生がきて
「僻地ってこういうところなのねー」
「住民に喜んでもらえてよかった」
そんな感想を聞くと、なんと答えてよいものやら。
そういう自分も、JICAという組織やステイ先の家族や友達や
いろんな人に守られて
かなり安定した生活を送っているわけで
でも、自分が経験しているこの生活もまた真実には違いないのと同じように
学生が感じたこともまた真実で、そこは否定できない。
けど、なんだかなぁ。
学生を派遣してきた大学側の意図がどこにあるのかわからないけど
表面だけさらっておいて、よく分かりました 的な感じが
どうもしっくりきません。
ここの住民も住民で
なにもかも薬、薬 と
まるで何かに取り付かれたような感じで薬を求めるし。
それはしっかりと幼い子どもにも植えつけられていて
雑貨屋さんに買いものに連れられてきて
飴とかお菓子をねだるでもなく
痛み止めが欲しいとか言ったりする子どももいる。
その薬はうちには置いてない と店主が答えると
じゃあ お腹がいたいときに飲む薬がいい とかいう。
こんな状況のサンタマリアなので
私の活動目標は予防の概念を普及させること に設定しています。
少し離れたダンリ市内は
もっと教育レベルも高いので状況がまた少し違います。
ということは
たぶんサンタマリアも数年すれば状況が変わってくるのでしょう。
私が活動していようとも活動していまいと。
活動していて
しんどいとか悲しいとかそういう感情と向かいあうのは
それほど難しいことではないです。
でも
こういうモヤモヤした部分って折り合いつけるのがとても難しいのです。
何が正しくて間違っている そういう類の問題ではないから。