新学期の授業がスタートです。始業式の日からレギュラー授業が始まります。最初の単元は「整数」で,偶数・奇数の概念を学習します。教材は,2×2の正方形を合体させた2×4の長方形の提示からです。この長方形のます目にそって切り2つの形に分けます。この時できた2つの形が合同になるように切ることを考えます。
最初に真横一直線に切る方法が出てきました。「チョキ,チョキ,チョキ,チョキ」と4回切れば合同な2つの形になります。それ以外にもS字になるように切れば合同になります。これも4チョキで切り離せます。それ以外にも別のところを切る方法もあるのですが,子どもたちから,
「それは,さっきと同じになるからダメ。」
という言葉が出てきました。その意味を確認すると,違うところを切ったように見えても裏返すと同じことになるというのです。この裏返すという行為は,左右の正方形を逆にするということになるので,あとの話の中で使えると思い取り上げておきました。
次に,3×3の正方形を合体させますが,今度は1マスずらしてくっつけます。これでも合同になる切り方を考えます。今度は4回だけでなく,6回,8回,10回などで切り離すことができました。これに対して,
「4,6,8,10になっている」
「2で割り切れる数になっている」
という言葉が出てきました。その言葉の意味を確認し,「偶数」という用語を一般化します。
さらに,どうしてそんな数字になるのかを考えます。子どもたちの反応は,合同になるので,左右が同じことになっているということでした。先に「裏返すと同じことになる。」と言っていたことと意味は同じです。もちろんこれがすぐに全体に広がることはありませんが,なんとなく2つの同じ数字が合わさって切る回数になっていることは見えてきました。
次に,4×4の正方形を合体させます。
「今度も偶数になるはずだね。」
と投げかけながら確かめていきます。すると,
「7になった。」
「偶数にならない。」
などの声に交じって,
「真ん中を通らなければならないからおかしくなる。」
と,その構造を見抜いた発言も出ていました。
それらの意味を丁寧に取り上げながら,「奇数」という用語を指導します。さらに「あまり1」が,切り取っていく図の中のどこになっているのかを全員で確かめていきます。中央で縦に走る1辺がそれになります。数学的に言えば,「対称の中心」が,交点に来れば偶数になりますが,辺上に来るとその辺を通らなければならないのであまりの1が出てしまい,奇数になるわけです。
さらに大きくした図形も用意していたのですが,時間が来てしまいました。とりあえず,「偶数・奇数」の意味は伝えることができました。意味を伝えるだけなら10分でできることですが,45分をかけて「記数の余り1」を目に見えるものにしようとしたのがこの教材です。