「小数のわり算」の単元に入ります。教科書では「等分除」(単位量を求める)から入っていますが,私は「包含除」から入ります。「量の文脈」は全く使わず自然に「包含除」に流れるようにします。
最初に「0」「1」「0.2」「0.4」「0.6」「1.4」「2」という7枚の数字が書かれたカードを見せます。そしていきなり「□÷0.2」という板書の中に「0」を入れます。これが一番簡単だと子どもたちから意見も出ました。
この答えは子どもたちにとって自明です。0を何で割っても0にしかなりません。この活動の意味は,
「形式的な処理ではなく,みんなに通じる言葉で説明する」
ことがこの時間に大切であることを体感させるためです。
次の「0.2÷0.2」も同じ目的です。この場合は,
「同じ数同士のわり算は1になる」
という分かりやすい説明に加え,
「0.2の中に0.2は1つ」
という,割り算の意味(包含除)を引き出すことが目的です。この日は,
「0.2×□=0.2」
というかけ算の逆としての取り上げ方も出てきました。
次は「0.4÷0.2」です。「0.6」も用意していたのですが,肌勘で「0.4」を選びました。ここでは2種類の説明が出てきますが,意図的に「わり算の意味」である包含除の方に導きます。
先の問題の説明を含め,整数のわり算(12÷3)で,割り算の元々の意味である「包含除」を確認し,それを使って考えていることを押さえます。「量の文脈」をなくしてわり算を考えると,自然に「包含除」に向かうのです。
さらに次の「1÷0.2」になると,「線分図」をかいていきます。最初に「0.1」の部分をかきのばしていきます。10個描けば「1」になります。「1.4」の場合は「14個」です。このような0.1をもとにしてそのいくつ分で表すことが,「小数の意味」に基づいて考えていっていることになります。
ここまでの活動をふり返ります。子どもたちは自然に「小数の意味」と「わり算の意味」に立ち返って場面をとらえようとしています。そのことを明文化します。「小数のわり算」なんだから,小数とわり算の意味に基づいて考えている意識をもたせたいのです。これは6年生の「分数のわり算」でも同様です。
『ノートにしゃべろう』はお題です。「小数のわり算を考えるコツは…」のあとを書いていきます。子どもたちで多かったのは
「割られる数の中に割る数がいくつあるか」
「図にして考える」
など,割り算の意味に基づいたり,思考法に言及したりする者が多く見られました。