最近,一般のニュースでもよく取り上げられていることに,次期学習指導要領における「算数」と「数学」の名称問題です。教科名を,統一するか現状のままでいくかが議論されているようなのです。
もともと「算数」という言葉は戦前(1941年)に生まれた言葉で,それまでは「西洋算術」「幾何学」「算術」などの言葉が組み合わされたものになっていました。それまでの日本は,「算術」と言えば「そろばん」のことでした。しかしそんな中に「西洋」の計算方法や,初等教育で扱われるべき数学の内容を組み入れた体系を作り出したのです。そのころは「算術」と「幾何学」を同じ学問として扱うことに抵抗があったのでしょう。並列的な名前になっていたようです。現代の「理科」における「化学」と「地学」のような関係でしょう。
この議論が行われている理由が「小学校と中学校のつなぎ」の問題だというのですが,名前を変えた(ずっと数学にする)からつながるということではないように感じます。名前を変えることで抵抗感をなくすために,全部算数で統一するという話もありますが,それだけでクリアできる問題ではないと思います。
私は「算数」の内容は,「数学」からの要請が強い単元と,「生活」からの要請が強い単元があると思っています。「時計」の学習などは,60進法ですから,本来難しい数学です。しかし生活のためには必要なことなの低学年から扱っています。「数学」になれば純粋に「学問」としての体系を学習しますが,「数学基礎」のように,生徒によってはそちらのアプローチが必要になる場面もあるでしょう。
結局いろんな子どもたちがいて,いろんな条件で変わってくるものだと思います。個人的には,今のままで十分だと思っています。