先日,市の算数部会の授業研究会が行われました。市内一斉に午前中授業にし,午後から教科ごとに1つの学校に集まって,研究授業・授業研究会をするというものです。算数部会も某小学校に集まり,4年生の「角とその利用」の授業が行われました。
 180度を超える角の大きさを測る場面でした。この日,自力解決で測る「角」が全員に配られました。220度になる角なのですが,その角は,うっすらと「マス目」が写っているものに描かれていました。ノートのコピーにかかれた角のようです。私が今までよく見てきたのは,白紙にかかれた図形をわたすことがほとんどでした。
 これを見て私が最初に感じたのは,
「これって,マス目が邪魔にならないかなあ。」
ということでした。マス目に左右されて,考え方がおかしくなるように感じたのです。しかし実際の授業では,そんなことはありませんでした。
 「180+40」という,補助線を引いて考えるアイデアに加え「90+90+40」という意見も出てきました。おそらくこれが「マス目」の影響だと思いますが,別に問題になるようなことではありません。「マス目で与えるのもあり」という印象でした。ということは,逆に「積極的にマス目を使う理由」も見いだせたように感じました。
 というのは,この学習をするときに難しい「技能」として「直線を延長する」というものがあります。一見簡単な技能のようですが,子どもにとっては大変難しいことで,ほとんどの児童の直線が,実際には延長できていないことが多いのです。それがこのマス目で与えるとそんなことがなくなっているのです。意外なことにぎつかせていただき,勉強になりました。
 授業は「線を引いて考える」といったまとめで終了しましたが,何のために線を引くのかまで考えなければいけません。分度器で測れる「180度以下の角に分ける」や「知っている180度と何度かに分ける」など,目的が必要です。多角形の面積を求めるときに,「線を引く」ではだめで,「三角形に分けて考える」まで押さえなければならないのと同じでしょう。
 まだ若い先生でしたが,意欲的に取り組まれ,子どもたちもよく育っていて,清々しい授業でした。理が等ございました。

 

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