霜月末に,某国立大学附属小学校の研究会に参加してきました。ほぼ毎年参加してきているのには理由があります。それは「キーワード」にとらわれない研究を続けているからです。算数・数学では「確率」に焦点を当てて,徹底的に授業を続けており,昨年度もそれがみられました。「その様子はこちら」
ところが今年は,2本の授業(小中1本ずつ)にそのようなテーマがみられず,「レジリエンス」という言葉を中心に研究が進められていました。私個人としてはやや残念ですが,しかたありません。1本目の授業は,中学2年生の「カム機構の仕組み」です。図形の探求のようです。
「カム」というのは,運動の方向性を変える仕組みです。回転運動を上下運動に変える場面を取り上げていました。上下に動く「ロッド」の底面に,いろんな図形を置いて回転させたときに,どのような上下運動が起こるのかを考える課題でした。たとえば「正三角形」を回転させると,頂点の位置で最も高く上がり,辺に沿ったところで一番低くなり,1回転の間に上下運動を3回繰り返します。これをいろんな形でやるとどんな上下運動の「グラフ」になるかを考えます。私も生徒と同じ立場で考えていたのですが,「空間認知」が弱い私にはかなり難しい作業でした。したがって,この活動は図形感覚を養うのにとても適しているということでしょう。
小学校では扱えない構造なので,この日の授業についてはこの程度しか述べることはできませんが,「カム」という言葉を聞いて,私はとても懐かしい思いに駆られました。
1964年生まれの私は,若い頃は大の「車好き」でした。今は若者の車離れが進んでいるようですが,当時の若い男性は,大なり小なり「車に興味」を持っていました。ちょうど大学生の頃「ツインカム」という言葉が出てきて「ツインカム16」「ツインカム24」などという言葉を友人との間で飛び交わせていました。(同じような意味でDOHCという言葉も使われていた。)カムは,バルブの開閉のタイミングを計るもので,「吸気バルブ」と「排気バルブ」を制御する「カムシャフト」が1つのカムシャフトで制御していれば「シングルカム」,それぞれ独立して2つのカムシャフトで制御していれば「ツインカム」になるわけです。
そんなことを思い出してしまいました。ちなみに当時の私は「ツインカム」と対峙するパワー法といわれていた「ターボ」,私の場合は「インタークーラーターボ」を着けた車に乗っていました。40年前の懐かしい思い出でした。