先日相学級(本校は,学年5クラスある大規模校)の先生が県外出張に出られたので,補教として「飛び込み授業」を行いました。選んだ教材は「周りの長さ」で,「式と計算」単元の活用場面といえるでしょう。
 2つの長方形の,「周りの長さ」を求めます。1辺ずつ足していく方法はもちろん,同じ長さのものをまとめて計算する方法や,縦と横を足してそれを2倍する方法など,基本的なものが出てきます。本当の教材はここからです。
 細いほうの長方形を組み合わせて「風車」の形に並べます。この時の周りの長さを求めていきます。
 5分ほどの自力解決の後発表させます。最初に発表した児童は,答えが「280㎝」と間違っていた児童です。全部バラバラだとすると「80×4」で320㎝になりますが,重なることで「10×4」の40センチが消えるので320-40となり,280㎝といっています。しかし多くの児童が,「答えが違う」といいます。そこでいったんこれは置いて,別の児童が発表しました。
 その児童は,同じ長さの辺が4つずつあるので,それぞれ計算して足しています。一番わかりやすい方法かもしれません。また「30+20+10」の長さの組み合わせが4つあるので,60×4で求めた児童も出てきました。これで正解が見えてきました。
 そうすると,今度は,先の280㎝がどうしておかしいのかを考えます。辺が10㎝ずつ重なりますが,重なっているので,1つの重なりで10×2の20㎝ずつ減っていることを説明していきます。これでさっきの児童も納得しました。
 ここからは,同じことを「太い長方形」でもやります。もともとこちらが周りの長さは長かったのですが,結果は先と同じ「240㎝」になりました。考え方は,さっき間違えてしまった児童に発表させます。その児童は見事,考えを修正して正解にたどり着いていました。
 満足げな表情の彼女を見ながら授業は終了しました。間違って理解していく,典型的な一コマとなりました。

 

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