四角形を対角線で切ってできる三角形について考えていきます。形のイメージをすることと「説明」が目的になります。
 まず「ひし形」を使って考えます。1本の対角線で切った時の形を言わせると「二等辺三角形」という答えは容易に返ってきます。しかしその「説明」となると,なかなか難しいようなのです。ひし形の定義・性質に帰らなければなりません。そのための手立てとして,「切り取った形は,元の図形と切り離す」ということにしています。ひし形の中を塗るだけでは,
「ひし形の辺は長さが等しいから」
で終わってしまいます。説明はもちろんひし形に帰ってする必要がありますが,あくまでも「考察対称」は三角形なので,2つの図形を放します。三角形の辺が,ひし形の「ここにあたる」という説明ができるようにします。それでも,慣れていない児童にとっては,なかなか難しいようなので,説明のサンプルをまとめておきます。
 次は「長方形」です。これも「直角三角形」になることはすぐに分かるようです。先のサンプルを利用して,今度は自力で説明するよう促します。しかしここでも難しさがあります。直角三角形なので,「直角」になっていることだけでいいのですが,辺の長さのことに触れようとする児童がいます。さらにまだ「長方形」に戻るということの意味が分からない児童もいました。
 ここでもサンプルをまとめ,さらに「正三角形」を対角線で切った「直角二等辺三角形」の説明もさせます。今度は先の2つが合体すればよいので,少しずつできる児童が増えてきました。
 次に,ひし形を2本の対角線で切った三角形について考えます。これも直角三角形であることは見抜けます。そこの角が直角であることは,前日に学習した「対角線の性質」で学習済みです。そのことを口にする児童はたくさんいました。一応サンプルのようなものをまとめた後,
「でも,こんな長い文章にするのではなく,もっと日頃の会話のように,口で説明できるようになろう。」
と投げかけました。その例として,
「ここは,ひし形の対角線なんだから垂直になるから直角に決まってるじゃない。だから直角三角形だよ。」
を示してやりました。するととたんに子どもたちの動きが軽くなったのを感じました。きれいに「文章」を要求すると重くなります。フランクな言葉でよい,ということが分かると子どもなりに説明するようになってきました。
 最後は長方形を2本の対角線で切ります。教科書の練習題にもあるのですが,難しい説明が必要になります。「その理由はこちら」それでも一人の児童が,
「長方形の対角線は同じ長さだから,その半分も同じ長さになるから二等辺三角形」
とシンプルに説明できました。これを全体に広げるような活動を行って終了しました。

 

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