「ひし形」の導入場面です。
「平行四辺形のことについて復習するよ。」
と言って,4つの平行四辺形(実はひし形)をわたしました。そして向かいあう辺の長さや角の大きさが等しいことを確かめさせます。そうすると,
「全部,辺の長さが等しくなっている。」
という言葉が呟かれるので,それを拾って「ひし形」を定義します。
新しく学習した「ひし形」は,平行四辺形の時に成り立っていたことが全て当てはまります。平行四辺形の定義である「向かい合う辺が平行」は当たり前になるのですが,これは「性質」になります。子どもたちからは,
「ダイヤモンドみたいな形」
というようなイメージが出てきました。
次に,「半径の等しい円2つ」が交わるように描かれ,円周上の交点と円の中心をつないで作った四角形を見せます。直感的に子どもたちから,
「ひし形や。」
という言葉が出てきたので,それが本当なのかを考えていきます。子どもたちの傾向として,
「半径は等しくなっている。」
という言葉で片付けようとします。既習のことでもありますが,「同じ円」で成り立つ話です。それを色分けして「赤の半径同士は等しい」ということを押さえます。さらに「緑の半径同士も等しい」ということを押さえます。問題はここからです。「赤と緑が等しいのはどう説明するか。」ということです。この時に,この作図の約束となっている
「半径が等しい円」
という言葉が説明に必要になってくることが分かっていきました。
その「反例」として,半径の違う縁で同じ作図をやってみても,ひし形にならないことをイメージさせておきました。
最後に,折り紙を2回折って,任意の直線をひいて切り,開くことで「ひし形」ができるという活動を行いました。ひし形になっている理由として,4つの辺は,切る前は同じ場所にあったということを押さえます。
さらに,できたひし形には折り目がついているので,それを「対角線」ということもここで教えてしまいました。