前時に「平行四辺形」の定義をしたので,この日はその性質を考えていきます。そのきっかけとして,前時の『ノートにしゃべろう』に,台形や平行四辺形の判別のための方法として,
「平行な辺で,長さが同じだったら平行四辺形になる。」
ということを書いていた児童がいました。それを紹介すると,多くの児童が納得していました。しかし本当に長さが等しくなっているのかは分からないので,それを調べていくことをこの日のめあてとして設定しました。
 私の方で,台形と平行四辺形を2つずつ用意して,それを調べていきます。定規と分度器を使って辺の長さと角の大きさを測ります。子どもたちの作業なので,多少の誤差が生じます。丁寧に測れた児童の結果を取り上げて考察していきます。この場面で誤差による「這い回り」は必要ありません。
 1つの平行四辺形に特化して,気がついたことを見つけていきます。向かい合う角の大きさが等しいことと,向かい合う辺の長さが等しいことはすぐに分かりました。この平行四辺形だけでなく,もう1つの平行四辺形でも当てはまっているかどうかは検証しておきます。
「他にありませんか。」
という発問で,子どもたちが固まります。全く見えていないようです。少人数での話し合いを取り入れると,
「180度」
という声が聞こえてきました。その児童のところへ行って確認した後,発表させます。
「隣り合った角を足すと,180度になる。」
というのです。子どもたちは意表を突かれましたが,確かにそうなるし,もう1つの平行四辺形でもそうなっていることも見えてきました。
 この性質は,この場面でまとめる必要はないことですが,次年度以降の学習に役立ってくるので,このような形で出てくればまとめておいて損はないでしょう。
 この後は,台形でも同様の活動を行い「一部の隣り合った角の和が180度になる」ことを押さえました。
 これらの性質を使って,辺の長さや角の大きさを求める問題を練習して終了しました。

 

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