前時までの2時間で,「垂直」と「平行」を導入しました。本来次の3時間目は「垂直や平行の作図」となりますが,私はいつもその間に1時間入れています。それは「平行の判定」です。
 与えられた2本の直線が「垂直」かどうかを判定する問題は,教科書などにもあります。しかし,与えられた2本の直線が,平行かどうかの判定をする問題は見たことがありません。私はそれをあえて取り入れています。この日も,最初に垂直の判定を「復習」してから,平行の判定の話をしていきます。
 まず,平行の定義を確認します。「1本の直線に垂直な2本の直線」です。小黒板にかかれた2組の直線のうち,見た目で平行に見えるものを使って考えていきます。定義にしたがうと,一方の直線に垂直な直線をひき,その直線ともう一方の直線が垂直になれば,平行が判断できます。その基本を確認します。
 そのうえで,それを省略した形になっていることを「三角定規の動き」で確認することを教えます。この「三角定規の動き」,本当は次の「作図」の場面でやるべきことです。しかしこの時には,右手に鉛筆をもったまま三角定規を当て,動かした後,左手を放し右手と左手を入れ替えた後,鉛筆を握り直して線を引く,など,手順がとても多いのです。これをいきなりやるのは難しい児童がたくさんいます。そのため,鉛筆をもっていない段階で,三角定規をスムーズに動かせるようにする訓練が必要です。
 最初は,何もない白い紙の上で,三角定規の動きだけを何回も練習します。右手を動かすと,それにつられて左手も動いてしまいがちになります。そうならないような力加減をつかむ必要があります。
 さらにそのあとは,2本の直線が引かれているものを9組示し,平行になっているかどうかを確かめさせます。最初に辺をそろえた後は,三角定規だけの動きで判断できます。
 このように,この技能を分解して,どういう段階で練習していけばいいのかを考えた結果,このような1時間が必要になると判断したのです。
 この後は,「長方形」の辺の関係について考えていきました。直感的に平行や垂直は分かるのですが,「説明」となるとなかなか難しいようです。平行の説明をやらせてみたのですが,できた児童は3人だけ。難しいものですね。

 

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