前時に「三角定規の角」について学習しました。それを利用して,この日は「分度器を使わずに角度を求めよう」という活動に進んでいきます。最初は,前時にも取り上げた,三角定規を組み合わせて作った角を計算で求めます。一見簡単なようですが,三角定規の「置き方」が変わると,その場所が何度だったのかが見えにくくなる児童がいます。そんな児童は,手元の自分の三角定規でこの形を作らせて考えさせます。
 次は「引き算」を使って「15度」になる問題を2問取り上げます。同じ15度でも,式が違うことが分かります。なお,「エ」の問題の三角定規は「一組の三角定規」にはなっていません。大きさが異なっています。それはこの後の活動のための布石です。
 次に,三角定規の外側にできる角度を求める問題です。一直線(半回転)が180度であることを利用して考えていきます。この発想は,一度知ってしまえばそれほど難しくありませんが,初見でこの構造を見抜くのはなかなか大変です。先取り学習の児童の影響を受けないように取り扱う必要があります。
 次に,一組の三角定規で,直角の位置をそろえて重ねた状態を見せます。この時の「赤い角」の角度を考えます。このままでは小学生が求めることは不可能です。しかし,この形の「上の部分」だけを切り取って眺めてみると,先の問題の「エ」の問題と同じ構造(ミニチュア)になっていることが見えてきます。ということは,この角は「15度」です。そうすると,その外側にできた角は「180-15」ということになり,前時に見つけることができなかった「165度」になっていることが分かりました。この角度は子どもが見つけることは難しいので,この位教師が示してやる必要があるでしょう。
 この後は,たくさんの「三角定規問題」が示されたプリントに取り組んで終了しました。今の教科書には,このような問題はかなり少なくなっているのですが,図形感覚と考える習慣作りのため,少し多めに出題してみました。

 

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