「今日もわり算の計算練習をするけど,いつもとは違ったやり方で行います。」
と言いながら,小さな1枚のプリントを配りました。そこには,割り算の問題が12問,横書きでかかれています。計算自体はノートでやり,答えはプリントに直接書き込むことを約束します。そのうえで,
「今日は,ストップウォッチを映しておくので,できた時間を測りましょう。」
と告げました。子どもたちはこのようなスピード競争が好きなので大喜びです。
一番早かった児童は2分強。6分前後で多くの児童ができ,10分で時間を切りました。そこで次のように発問しました。
「もう一度同じようなプリントをやってもらうんだけど,1回目より時間を縮めるためにはどんなことをすればよいでしょうか。」
これに対して,
「問題をよく見る。」
「簡単な問題から先にやり,難しいものを後にする。」
などの意見とともに,
「できる計算は暗算ですればいい。」
という意見が出てきました。これには「納得」の児童と「そんなのできないよ。」という児童に分かれます。実際にやってみると,今度は早い児童は1分ほどででき,4分前後で多くの児童ができました。
そこで,どの問題までを暗算でやったかをたずねました。2枚目のプリントは,暗算しやすい問題から,少しずつ難しくなるように配列していたのです。すると「最後まで全部」という児童が2名いました。「2桁÷1桁まで暗算」「位ごとに割り切れるものまで暗算」「何十わる何まで暗算」「全部筆算」と分かれます。これは当然のことです。暗算というのは,みんながイメージをもってできるものではないので,個人差をしっかり見てやることが必要です。
それでも,「2桁÷1桁」まではなんとかがんばってほしいので,教科書の練習題を使って計算する練習は行いました。
さらにそのあとは,暗算練習をするための「カードづくり」を行いました。表には「48÷4」などとわり算の式が書いてあり,裏はその答えになっているものです。15枚ほどの基本的な計算です。あまりは出ません。このカードを使って,少しずつ家庭学習をしてもらいます。