いろいろな折れ線グラフをさらに進めます。この日は「棒グラフとセット」になったグラフで,いわゆる「雨温図」です。最初に印刷した「東京の雨温図」を見せます。折れ線グラフは気温,棒グラフは降水量を表していることを指導します。そのうえでいくつかの質問をしていきます。
「一番気温が高いのは何月ですか。」
「2月と気温が似ているのは何月ですか。」
「降水量が多い季節はいつですか。」
などで,それに対する答えを板書していきます。するとそれがそのまま「考察」のサンプルになっています。
 教科書には,金沢市の雨温図の問題があるので,それを使って金沢市について考察しいきます。先の東京の時に板書した内容を参考にすると,いくつかの気づきを書いていくことができました。特にその中で,
「4月から5月の気温の上昇が急になっている。」
という考察は,折れ線グラフの特徴を生かしたものになっているので素晴らしいと言えます。
 さらに,東京と金沢の2つの雨温図を比較する考察も行います。複数の資料で検討していくことも大切な見方です。相違点と共通点が見つけられていきました。まだ気候の違いなどを考えることはできていません(5年生の社会科の内容)が,なんとなく地域のイメージがもてればさらに深まるでしょう。
 最後に,
「この気温の変化は,北半球と南半球のどちらでしょうか。」
と言いながら。谷形になった折れ線グラフを見せます。当然「南半球」と答えます。しかし,
「残念。実はこれは地元なんです。」
と言うと驚いています。ある年に異常気象になったという話も出ましたが,そんなはずがありません。「ひっくり返したでしょ。」という児童まで出てきました。
 悩んでいるときに,それまで隠していた「横軸」を表示します。すると,8月から始まり,7月で終わっているのです。
「何だ,そういうことか。」
とすぐに気づいたので,2年分の折れ線グラフを見せます。そして,この中のどこを切り取るかで,山形にも谷形にもなるということが分かります。ということは,北半球と南半球の違いも,時期のずれだけで,実際の気温の変化はよく似ているんだということが分かり,終了しました。

 

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