学年末の特設授業として「あみだくじゲーム」を行いました。まず最初に4人を選び,あみだくじ4本の上にネームプレートを置かせます。まだどのくじが当たりなのかは伝えていません。とりあえず一人1本ずつ横線をかき加えさせます。この段階で,当たりくじは「上のネームプレートの並びを逆にする」という設定で,全員が当たるチャンスがあるということにします。その上でもう1本ずつ横線を加えて合計8本で結果を出します。この場合ひとりの児童だけが当たりとなりました。
 これを受けて,班ごとに同じようなゲームをやらせてみました。4人班と3人班があるのですが,4人班は4つのうち3つの班が「全員当たり」になりました。一方3人班2つはどちらも「一人勝ち」になったのです。この偶然の結果を利用して,
「3人班でも全員勝ちになるようなくじはできるのかな。」
と投げかけ,調べさせていきました。一人2本なので3人班の場合は6本になるはずですが,
「先生,3本でできる。」
という声が上がりました。そこで,
「それならできるだけ少ない横線でできるようにしてみようか。」
と,この教材がねらっている部分へ自然に進めることができました。
 4人班でもできるだけ少ない本数を考えていくことにすると「6本」で全員勝ちになる並べ方が見つかりました。その代表を一つ黒板にかいてもらいましたが,わざと特徴的なかき方のものは選ばずに取り上げているのはしかけです。
 この後5人に増やすと「10本」になりました。今度は特徴的なかき方のものを取り上げると,
「ピラミッドみたい。」「階段みたい。」
という呟きが上がり,このあみだくじのかき方のコツが分かり始めました。
「次は6人の場合だけど,何本でできそうかな。」
と,ここまでの結果から帰納していきます。3本,4本と増えてきたので今度は5本増えるという予想が出ます。さらにその根拠として,
「2人だと1本で2本増えているから。」
と,数字を小さくして事例を増やすことも定着しています。
 実際に確かめてみると15本になりました。確かに5本増えるようです。ではどうしてそのように増えていくのでしょうか。これを5人から6人に増えた場面で,5人のあみだくじに1本くじを加えた図で考えてみました。すると増える5本が,一番下の部分に階段状に並んでいくことが分かりました。この階段の数は,人数の間の数なので6人なら5になるわけです。こうして「なぜ」の部分も明らかになりました。
 最後の『ノートにしゃべろう』はお題で,4人+先生の5人で,ゲームをして先生だけが負けるくじを作ろう,です。
 子どもたちはなんとかして作ってやろうとがんばっていますが,実は無理なことです。先生が負ければその影響を受けて必ず負ける人が出てきてしまうからです。それを見抜いていたのは4人ほどでした。
 学期末に楽しい学習ができました。

 

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