学年末の特設授業として「フィボナッチクッキー」を行います。縦と横の比が,1:2(5cmと10㎝)になっているクッキーを箱に入れていくことを考えます。まず3個入りの箱に入れていきます。この場合は「縦縦縦」「縦横」「横縦」の3通りの置き方があります。まだ何通りあるかどうかということは話題にしません。この活動で「クッキーを箱に入れよう」というめあてを立てます。
 続いて4個入り,5個入りの場合を考えていきます。この位であればそんなに難しくなく,マス目のノートを利用して見つけていくことができます。さらにここまで2回の「フィボナッチ数」の学習を思い出して,
「フィボナッチになっている。」
という呟きがあちこちで上がり始めます。この段階で初めて「何通り」かを考察していくことにします。
「だったら,次は13通りになるはずだ。」
ということになり,「6個入り」の図を考えていきます。
 しかしこれはそれほど簡単ではありません。時間もかかりますし,13通りまで見つけることができない児童も半分くらいいました。そうなるとはっきりしたことは分かりません。
 そこで「なぜフィボナッチになるのか」を考えるため,「フィボナッチ階段」の時に利用した上り方の短冊を出してきて,
「5段の時の8通りはこの8つの式だったよね。」
と言いながら見せます。するとその式とクッキーを詰めた図を比べ始め,それぞれ対応するものがあることに気づいていきました。
 縦に置くのを1,横に置くのを2と考えると,対応するものを見つけることができます。このように「図」と「式」が見事に対応していく経験を積むことができます。これがこの活動の価値でもあります。
 式と図が対応することが分かると,難しかった「6個入りの図」で,抜けているものを見つけることができます。短冊を見せて自分の図の中から抜け落ちているものを見つける活動に移り,全員が13通りの図を見つけることができて終了しました。
 全3時間の「フィボナッチ数」の学習でした。全ての時間に「なぜ」を追求する活動を展開することができます。私のオリジナル教材組織です。(単発の授業はこれまでもあった。)

 

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