前日は「手の速さ」を電卓を押す時間で考えました。この日は「手」から「足」に変えます。これを考えるために必要な要素を前日に『ノートにしゃべろう』にかいてもらっていました。その中に「足が地面につく回数」という児童がいました。この児童は,手と同じように考えています。「地団駄を踏む速さ」と言えますが,一般的に「足の速さ」と言った時のイメージとは異なります。別の児童は「距離」と答えてくれました。こちらは「スピード」をイメージしています。一般的にはこちらのイメージだと思います。そこで今日は,このスピードについて考えていくことを確認しました。
 なお,この日は子どもたちが使った「距離」という言葉をそのまま用いて進めましたが,次時以降に「道のり」と訂正します。
 考えていくために,時間と道のりを示した4人を登場させこれを比較していくことにします。
 まず,詳しい計算をしなくてもすぐに分かるものを見つけます。AとC,AとBです。これを判断させその理由をノートに書いていきます。距離が同じ場合は時間が短いほうが速くなります。これは「50m走」の競い方です。それに対し,時間が同じ場合は距離が長いほうが速くなります。体育の時間にやっている「7分間走」がそれにあたります。
 さらに,AとDを比べると「同じ速さだ。」と言います。その理由として「計算」している児童も出てきましたが,Aを2倍するとDになるから,という「比例の考え」も出てきました。しかしこの話をしているときに,
「体力は関係あるんですか。」
という質問をしてきた児童がいました。その理由はAとDではDの方が体力があるから速い,という判断をしていた児童です。このイメージはとても大切なもので,2キロを20分で走った人が,次の2キロも同じ速さで走れるかどうかは現実には分かりません。周りの児童からは,
「そんなことは考えなくてもいいんだよ。」
と言われていますが,その点を取り上げ,スピードはいつも一定ではないけれど「そう考える」「同じ速さだと考える」ということを指導し,この考え方が「平均の考え」になっていることを押さえました。
 ここからは,残ったBとCの比較に移ります。この場合は多様な考え方が出てきます。時間をそろえた(1分,1時間)方法と,距離をそろえた方法がそれぞれ2つずつ出てきて,四ます関係表などを使いながら確認していきました。
 いずれの方法も「どちらか一方をそろえる」という考えで判断していることを押さえました。この考えを使って次時に「速さ」を進めていきます。

 

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