前時に9種類の立体について,その特徴を言葉で表しながら探っていきました。それらの立体を使って,本時は指導すべき内容を指導していきます。
 まず,9つの立体のうち「先がとがっている」(子どもたちは「凶器になる」と呼んでいた)立体(錐体)は,今回考えないことを約束します。(以前の学習指導要領では扱っていた。体積まで扱っていた時代もあった。)そのうえで「角柱」と「円柱」に分けます。
 次に「三角柱」を使って,「面の数」をたずねます。5枚というのはすぐに出てくるので,すかさず,
「式は?」
と返します。すると一瞬怪訝な表情を見せますが,すぐに手が挙がり始めます。「3+2」です。それぞれの数字がどこを表しているかを説明させて,同じことを「五角柱」「六角柱」でも行います。そうすると「+2」がいつも出てくることが分かりました。この「+2」にあたる面のことを「底面」と言い,それ以外の面を「側面」ということを指導します。
 このように「式をたずねる」ことで,図形のどこを見ているのかが分かります。「式はものの見方を表す」ということを利用した展開です。
 ここからは各班に1つずつ,立体をわたして眺めながら進めていきます。まず,今学習した底面の形によって,角柱の名称がさらに細かく規定されていることを教えます。さらに底面を両手で挟むとまっすぐになることから「合同」「平行」の関係にあることを押さえます。
 ここから「側面」の話に進め,形が「長方形か正方形」になり,底面に対して垂直になっていることを押さえます。一方「円柱」の側面は,丸くなっていることから「曲面」であるということと言葉を指導します。
 次に「高さ」という概念をはっきりさせます。底面が上下になるように置いた時の「高さ」がその立体の高さになっています。言葉の意味と立体のイメージが重なるようにします。円柱に関しては,曲面上では長さが取りにくいため,頂点をつないだ長さと約束します。
 教科書の練習題に入る前に,「似て非なるもの」(nonA)は見せなければなりません。角柱になっていない「反例」です。一つ目は,上下の面が平行ですが合同ではない正方形になっている立体です。子どもたちは「プリン」「メトロノーム」「跳び箱」などと呼びました。この立体が,先に黒板にまとめたどのことに「違反しているのか」を指摘させていきます。
 同様に,上下の面は合同なのですが,平行になっていない立体でも同じ活動を行います。教科書にはこの「反例」を見せる場面が全く入っていないので,こういう活動は授業者が意図的に組み入れなければなりません。

 

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