「円と正多角形」の単元に入ります。導入は「正多角形のフリーハンド作図」です。亡くなられた手島勝朗先生の実践をもとにしています。
 3人の児童に正三角形をフリーハンドで作図してもらい,どれが上手なのかを話し合います。友達の意見に左右されたり,芸術的に図形を見たりする児童も出てくるので,その都度修正を加えながら話し合います。修正とは「図形の約束」に戻って考えるように促すことです。
 この活動を「正四角形(正方形)」「正五角形」と進めていきます。正五角形のフリーハンドは,年々正しいものに近づいていく印象があります。以前は「将棋の駒型」や「ホームベース型」も多く出ていたのですが,最近は出にくくなっています。ゲームなどのキャラクターにこのような形があるのでしょうか。
 作図された図形は,辺の長さという観点からくらべたり,角の大きさという観点からくらべていきます。
 ここまでの活動を経て,「定義」を導入しておきます。正3角形・正4角形・正5角形と数字を使って□の中に入れていきます。そしてそれらをまとめて「多」という文字で表し,多角形という言葉を指導します。
 ここで,パターンブロックの正三角形(緑)を6枚使って多角形を作ります。この形を見て多くの児童が「正六角形」と言うのですが,本当にそうなっているのでしょうか。それを説明させます。この時のコツは,パターンブロックの図形の1辺はみんな「1インチ」になっていることを教えておくことです。これを教えておかないと,
「全部同じ長さだから…」
という言葉ですうっと流れてしまうからです。「全部1インチになっている」という言葉で根拠を明らかにさせなければなりません。同じことは角度にも言え「120度で同じ大きさになっている」という説明が可能になっています。
 ここまでに扱った正多角形の中で,正五角形だけが角度が不明です。そこでそれを考えていくことになりました。105°という予想が出たのは,前後の角度を見てイメージしているので素晴らしい予想です。
 一方,内角の和を学習している子どもたちですので,計算で求めることもできます。五角形の内角の和が540度(360+180)になっていることを利用して「108度」を導き出してきました。
 最後に「正八角形」を見せて,その角度を求めることを『ノートにしゃべろう』のお題としました。半分強の児童はできていましたが,他の児童は内角の和を求めるところで間違っている児童が多かったようです。次時に確認して,本当の作図に向かいます。

 

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