冬休みに恒例の「研究主題事前研究会」が行われました。県算数部会の来年の「研究主題」を検討する会です。県内ではもっとも議論が白熱する会です。研究委員長さんが作成した「たたき台」を検討していきます。
 研究主題は「深い学びの実現に向けた算数科授業の在り方」と昨年のものと変わりないのですが,副主題に新しく「協働的な学び」という文言が入っていたことが話題になりました。この文言は「令和の日本型学校教育」の中の「個別最適な学び」と「協働的な学び」からきています。この2つの「一体的に充実」を目指して「主体的・対話的で深い学び」を実現しようとするものです。
 いずれの言葉も,意味を突き詰めていくと従来から使われてきた言葉です。「個を生かして」「個に応じた指導」などは過去の研究主題でも用いられてきました。平成初期に「机間巡視から机間指導」に変わったり「座席表」「形成的評価」「ヒントカード」などが流行したりしたのがその時代です。今「個別最適」となりましたが,それは「特別支援教育」の考えの広がり,の影響もあるのでしょうが,授業の中でとらえれば大きな違いはないといえるでしょう。この言葉を「一人1台端末の利用」だけに落とし込む間違いだけはしないようにしたいものです。
 「協働的な学び」も,日本の伝統的な「一斉授業」では当たり前に行われてきたことです。平成後期の研究主題でも使われてきました。この言葉を授業の中でとらえたときに,いわゆる自力解決の後の「練り上げ」の段階だけの話ととらえてはいけません。たとえば「ぐるぐる図」の右回りの場合,数学的に表現された問題を「焦点化した問題」にしていく場面では必ず協働が必要です。左回りであれは,結論がでたあと次の「数学的に表現された問題」を設定するときに協働は必須です。要するに授業の中のあらゆる場面で「協働」は欠かせないわけです。
 たっぷり3時間の話し合いの末,1つの方向性は見えてきました。この日の話し合いを受けて,主題を作られる研究委員長さんは大変ですが,参加した事務局メンバーにとっては大変勉強になったことでしょう。2月に正式な会があって決定します。 

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