分数を使った「割合」分数倍について学習します。この学習ではいつも実物のテープを用意して進めています。「小数倍のときはこちら」
 4色のテープを見せます。いろんな置き方をしています。この中から,
「ピンクは白の何倍ですか。」
という発問をします。これは直感で何となくピンクだと分かります。そこで,ピンク60cm,白30㎝を測り,それを使って式を立てて2倍であることを確認します。これはいつもやっていることです。次に,
「オレンジは白の何倍ですか。」
と進めます。すると子どもたちの意見は2つに分かれます。小数でも同じ傾向がありましたが,子どもたちは「式を作る」ということになると,自分の都合のよい立て方をします。必ず大きいものから小さいほうを割ったり,割り切れる方を選んだりします。そこでどちらが正しいのかを話し合います。
「オレンジの方が長いのに,0.75倍と1より小さくなるのはおかしい。」
という意見が出ます。1倍で同じ長さになるので,それより長いときは2倍など大きくなるはずです。そのような話が出て,どうやら0.75倍が間違っているのは分かったのですが,では4/3倍が正しいかどうかは,テープを見て判断します。すると白の30cmを3等分すると10㎝になり,その4つ分がオレンジになる,という話に進んでいきました。こうして4/3になっていることを確認します。(この文章にしたほどすんなりとはいっていません。)
 次に黄色に進めます。今度は白より短くなっています。こうなるとまたまた逆にしている児童が出てきます。先と同じように白の2/3倍に見えていることを確かめていきます。これらの関係は「関係図」にも表していきます。
 このあたりから「考え方」を話しする児童が出てきました。
「白の何倍と言ってるので,その白で割らなくちゃいけない。」
「白を1とみた時のことを言っているので,白で割らなければいけない。」
など,どれもうまくいっているのですが,なかなか全体に浸透したとは言えないでしょう。これをあまりやりすぎると「形式」になるので,この後の「割合」の単元も含めてとらえていく必要があります。
 ここまでの4本のテープの関係を全体でまとめます。白を1とみた時にそれぞれがどうなっているのかを,数直線を加えた配置でとらえ直していきます。「テープ図」「関係図」「形式」などいろんなものを見せて,イメージできやすいもので理解していく必要があります。
 この後は,多くの練習題で確かめていきます。教科書の練習題,短冊黒板問題,もっと練習など,問題数をこなしていくことも大切です。ただ,商分数を学習した直後は少し早いような気がします。分数と小数の換算ができるようになった,単元最後の方が好ましいのではないでしょう。

 

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