まず既習の面積公式の復習をします。長方形・正方形・平行四辺形の面積が求められるようになっています。この日はこれらを利用して「三角形の面積」を考えることがめあてです。
すでに前時に簡単な「自力解決」は行っています。4種類の三角形の変形を行いました。底辺6㎝,高さ4㎝は共通していますが,「二等辺三角形」「頂点を1㎝ずらした」「頂点を2㎝ずらした」「頂点を3㎝ずらした直角三角形」の4種類です。これらは変形のしやすい・しにくいがあるので,分かりやすいものから考えていきます。
まず「二等辺三角形」からです。この場合,ほとんどの児童が頂点から垂線を下ろした直線で切り,片方を裏返して長方形に変形しています。左右対称だからできる方法で,一番わかりやすいといえるでしょう。これを他の三角形でまねをして間違えてしまった児童もいました。
次は直角三角形です。この場合,高さの半分にところで横に切り,横に細長い長方形(2×6)に変形する児童と,斜辺の半分のところから真下に切り「4×3」の長方形に変形するものに分かれました。
ここまでに3つの切り方が出てきました。これらの切り方を,次の一般三角形に適用していくことを考えます。
まず二等辺三角形で行った頂点からの垂線ではうまくいかないことが分かります。この方法は一般三角形には適用できない,という結論を出します。次に直角三角形で,高さの半分のところで横に切った方法でやってみます。上の部分を移動させると平行四辺形に変形できたのでうまく面積が求められました。この切り方はこの三角形で適用できる。と結論付けます。
では残った斜辺の半分のところから真下に切る方法はどうでしょうか。残念ながらこれはうまくいきません。したがって「適用できない」となりかけたところで,見方を変える方法を紹介しました。それは,
「斜辺の半分のところから下の辺のまんなかをつなぐ」
という見方です。これを聞いた子どもから,
「斜めに切ってもいいの。」
という発言が出てきました。子どもたちは真横か垂直以外の切り方を考えていないようなのです。
これでやってみると,うまく回して「平行四辺形」に変形できることが分かりました。この見方は,次の「台形」につながる味方なのであえて取り上げることにしたのです。そのために「見方を変える」という手法を取り入れました。
最後に残った三角形は,斜めの辺に「ドットがない」のできるところが見つけにくくなっています。そこで,
「切らない方法をやっていた人がいたよね。」
ということで「倍積変形」の考えを取り上げました。
「2つくっつける」
という新しい発想が出てきました。式に「÷2」が必要なことも全体で確認していきました。
変形した図形を元に戻して,面積を求めるために使ったところの長さがそれぞれのどこにあるのかを確認し,「気づいたこと」を発表していきました。右が子どもたちから出てきた意見です。どれも大切な見方を表しています。「半分」がキーワードになっています。これらを利用して,次の時間に公式化していきます。