前時に分数の大きさ比べをする方法として「通分」を学習しました。この時間は,その習熟をはかることを目的とします。このような時間は明確な「めあて」が有効になります。
 前時の最後に取り組んだ教科書の問題の答え合わせからスタートします。通分するために,「倍分」を使って等しい分数を書き出し,その中から分母が等しくなっているものを見つけます。この時,両方の「分母」だけに着目すると,既習の「公倍数を見つける方法」と同じことになっています。このことは前時の『ノートにしゃべろう』にすでに書いている児童もいました。
 その反応を利用して,通分をするためには「分母の公倍数」を見つけるとよいことを確認しました。(板書まちがいました。子どもからの指摘で修正していますが,消しゴムで消さず,斜線を使っています。)
 そのあと,「5/6」と「4/3」を通分する練習をしました。この場合,分母を「12」にする児童と「24」にする児童に分かれました。どちらも正しいことを押さえたうえで,できるだけ分母を小さくするように約束し,「最小公倍数」を使うことを確認しました。
 小黒板問題を使って練習します。通分するときの最小公倍数には,
「2つの数字をかけたもの」(互いに素)
「どちらか一方の数字になるもの」(一方がもう一方の約数になっている)
「上記のどちらでもないもの」(1以外の公約数がある)
の3タイプがあるのでまんべんなく入れておきます。
 さらに「3口」の通分があることにも触れておきます。
 この後は教科書の問題を使って練習していきますが,その中で,
「等号や不等号を使って式に表しましょう。」
という設問があり,この中の「式」という言葉で止まっている児童がいました。子どもたちにとって「式」は「演算」があるものだというイメージなのでしょう。なので簡単に説明してやりました。厳密なことはこの段階では必要ないでしょう。(式は,数量の事柄や関係を数学で決められた記号を用いて表現したもの)
 最後は,カードをひいて作った分数を即座に通分するゲームです。子どもたちは喜んで取り組んでいましたが,最後の問題で「1/2」と「3/6」という分数になりました。ほとんどの児童が分母を「6」にしていた(これが最小公倍数だから正解)のですが,3/6の方を約分して,分母を2にする児童もいました。このような思い込みを覆すことができるのもゲームのよさかもしれません。

 

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