「整数」単元最後の時間は「倍数ムーブゲーム」を行って「平方数」「素数」を学習します。学習指導要領にはない用語ですが,覚えることが目的ではなく,この学習によって「倍数」「約数」のイメージを強くするのが目的です。
 「ムーブ」とは,該当した場合に「立っていれば座る」「座っていれば立つ」ということです。これを1から24(出席番号)の倍数で行います。
 実際にやってみると,右のような出席番号の児童が最後に立っていました。この中には「まちがっている」ものもあるのですが,それを明らかにする前に,立っている人と座っている人は何が違うのかを問題化しておきます。
 まず「1」の人が立っている理由は明白です。最初の1の倍数の時に立つと,そのあとは全く動きません。
 次はそれ以外の人がどんな時に「ムーブ」したのかを確認していきます。その人が「〇の倍数」の時に立ったものは,出席番号の「約数」になっていることに気づきます。このことで,倍数と約数が逆の関係になっていることが分かります。強化すべきイメージの一つです。そうすると「24」や「22」は違っていたことが分かります。
 では,立っている児童と座っている児童は何が違うのでしょうか。子どもたちが「吹き出し」を眺めながら少しずつ気づき始めました。吹き出しの中には「約数」が書かれていますが,その約数の数が,立っている番号は「奇数」になっているのです。反対に座っている番号は「偶数」になっています。
 しかし,約数はペアで見つけてきたので偶数になるはずだということを振りました。すると,
「真ん中の数をかけているよ。」
というので,最後のまんなかの数字は,自分自身がペアの相手になっているのです。そのために,「余り1」ができて奇数になるのです。これはイメージ強化になります。
 ここまで進めて「平方数」という用語を指導しました。
 ここからは「忙しかった人」と「暇だった人」という観点で,自分のムーブを考えます。暇だった人は2回したムーブしていないはずです。約数が1と自分自身しかないからです。これを「素数」と定義してこの日の授業・単元は終了しました。

 

にほんブログ村 教育ブログ 算数・数学科教育へ
にほんブログ村