前時に行った「大きいほうが勝ちゲーム」を少し続けていきます。最初は前日と同じように,まず「繰り上がりのない」状況を見せて,位ごとに〇倍になっていることを見せます。次に,4倍を使って繰り上がりのある状況を見せます。繰り上がるので各位ごとに〇倍になっているようには見えないのですが,実は先と同じように成り立っています。
ここで「10倍」を登場させます。これも繰り上がりが出ますが,各位の数字がそのまま繰り上がりになるので,数字の位が1つ上がることを押さえます。
同じことを「1/10」でもやり,こちらは位が下がります。この2つをきっちり文章でまとめてしまいます。このあたりは既習事項です。
ここからもっと大きく「100倍」「1000倍」を考えます。最初は「筆算」で確認しますが,そのあとは「10倍の10倍は100倍」というオペレータの考えを想起して押さえます。結果は先と同様「文章」でまとめます。大きくしていくのだから「位が上がる」という言葉は絶対必要です。この言葉が教科書にはないのでしっかり押さえていきます。
適用題として「8.4573」を10倍,100倍,1000倍します。結果を短冊黒板に書くと,先にまとめた「位が上がっていく」様子がよく分かります。この短冊黒板を,数字が上下に並ぶように,階段状にずらしていきます。すると今度は「小数点の位置」がずれていきます。
この様子を「動いていくように見える」と一般化しました。小数点は基準ですので,これが動くはずがありません。ところが子どもたちは,どこかでこの言葉だけを聞いて使ってしまう児童が本学級にもいました。教科書とは違うまとめ方なので,違和感をもつ児童もいましたが,早い段階で「固定観念を砕く」必要があります。