学期末の特設授業として「表裏時計」を行います。本来は「4年生」などの「変わり方」で用いる教材ですが,いろんな見方ができるのでどの学年でも取り組めます。(教職員研修などでも盛り上がる)
 「赤い国」の時計が「3時」を指しています。これを裏返すと「青い国」の時間になり(短針しかない時計。針の色が赤・青になっている)ます。こちらは「11時」を表しています。これを事実として確認した後,
「赤い国の時間が,5時になったら青い国は何時になるかな。」
が,最初の課題です。ほとんどの児童が「1時」と予想しています。理由としては「2時間進んだ。」ということと「時差が4時間だから」ということです。(子どもは,そんな言葉は使わない。)
 一方,針の「位置」を追求しようとする児童もいます。「裏返す」ので,さっきの11時はこちらから見ると1時になっていて,そこから2時間進んで3時だと予想しました。この予想は,最後の「2時間進んだ」が「2時間戻る」と考えれば正しいことになるので,半分正解までたどり着いている鋭い考え方です。この問題を「図形的」に見ています。
 全員不正解の結果を受けて,今度は赤い国が12時の時の青い国を考えます。ここでも「4時間進んだ」という理由で「4時」という児童がたくさんいます。まだこの考え方から抜け出られていません。それ以外にもいくつかの答えが考えられていて,苦戦しています。そんな中,正しい「2時」を見つけられた児童は,「回転」させたり,戻したりしながらたどり着いているようですが,理論的には成り立っていない説明になっています。
 さらに赤い国を1時にします。さっきから1時間の違いになっています。これでできる児童が増えるかと思いきや,やっぱりいろんな答えが出てきて,正解は4人だけでした。なかなかすっきりいかない状態が続いています。ここで一人の児童が,
「なんか,法則があるんじゃないの。」
と言い始めました。何かは分かりませんが,その方法は賛同されています。そこで,
「じゃあ,ここまでの結果を整理するよ。」
と言って,「短冊」に示していきます。(本当は子どもの方から出てきてほしい)
 最初の3回の結果を整理しました。その段階で,「あっ,分かった,」と言って挙手する児童が出てきました。それが広がっていった段階で発表させ,
「上と下を足すと14になっている。」
という法則を見つけ出しました。しかしその時,「1時のときは1時」という結果が当てはまったいません。それに対しては,
「1時は13時だから,成り立っている。」
という意見がすぐに出てきました。
 こうして,法則が見つかれば簡単に時間が分かります。表にすると「1ずつ減っていく」ことも分かりました。ここで,私が,
「先生は,赤い国の時計を見ているので,1時間ずつ進めていくよ。」
と言いながら,子どもたちには青い国の時計盤を見せました。進めているのですが,子どもたちから見ると「元に戻っている」ように見えます。これが1ずつ減っているということで,1増えると1減るから,いつも「和一定」になっていることをイメージしてもらい終了しました。

 

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