レギュラー授業が終わったので,学期末の「特設授業」に入ります。最初は「偶数・奇数の活用」です。本当はその単元の最後(導入ですることもできる)にすべきなのでしょうが,今回はできていなかったのでここでやることにします。
 「2×2」の正方形2枚をくっつけて「2×4」の長方形を作ります。せっかくくっつけた長方形ですが,これを升目に沿ってまた2つの形に切り分けます。この時,できた2つの形で「合同」になるようにします。この場合は3通りありました。これらを切り取るときの音「チョキ」で表すと「4チョキ」で切り離されることになります。
 続いて「3×3」の正方形2枚をくっつけます。ただしそのままでは「面白くない」と言いながら,1つずらした状態でくっつけます。これを升目に沿って合同な2つの形に分けます。
 子どもたちは,面白がっていろんな切り方を考えています。とりあえず7通りの切り方が出てきたので,「チョキの数」を調べてみると,全部「偶数」になっていることが分かりました。そこでその理由を語らせていきます。
 最初は「マス目の数」にとらわれた意見が出てきます。18ますあるので半分にすることができる,というイメージです。これは以前に,某附属小学校で飛び込み授業をした時でも同じことが見られました。「その時の授業はこちら」
 しかし今回は一人の児童から,
「2つに分けたら,元の赤い線が同じになる。」
という発言が出てきました。この意味を全体で追求していくと,元の正方形に戻した時に,赤い線の本数が左右で同じになっている,ということでした。なので,両方合わせた「チョキの数」は必ず「偶数」になっているということが全体に伝わっていきました。
 「必ず偶数になる」という雰囲気になったところで,3×3の正方形を「素直にくっつけた」3×6の長方形でも考えてみることにしました。偶数になると思って切り方を調べていくうちに,
「あれ,奇数になる。」
という呟きがあちこちで起こります。同時に,
「真ん中に1辺ある。」
と,「なぜ」を考えようとする発言も自然に起こっています。
 左右に同じように赤い線があるのは一緒なのですが,真ん中に1本通る線が加わります。このことで「2でわると1余る」奇数になってしまうことが分かりました。
 時間が来たのでこのあたりで終了しましたが,
「偶数になるときは,真ん中は通っていないの。」
などと発言して,「点対称の中心」を意識させることができればなおよかったと感じました。

 

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