先日の土曜日,本当に本当に久しぶりに,某国立大学附属小学校の研究会に,足を運んで対面参加させていただきました。2020年のバレンタイン以来「その時の様子はこちら」frm=themeですので,2年9ヶ月ぶりということになります。自家用車で3時間近くかけて現地に足を運びました。この学校に行くのは9年ぶりです。「その時の様子はこちら」授業は2本見られました。
1本目は2年生の「かけ算」の活用場面です。九九は一通り学習しているようです。遊園地に行った設定で,クラスの35人を,3人組と2人組に分ける方法を考える課題です。一見「わり算」のような展開ですが,いろいろな分け方を「アレイ図」を使って引き出した後,それをかけ算で確かめていこうとする展開でした。アレイ図はそのクラスの座席の様子がそのまま記されている配置になっています。
これが意図的なのかどうかは分かりませんが,よくできた配置になっています。3人組や2人組をどんどん作っていく取り方がとてもスムーズにできる配置です。また2人組と3人組を交互に作る方法も,5列になっているのでとりやすくなっています。子どもたちはいろんな囲み方をしていました。
話し合いに入ります。まず2人のものが示されました。3人組をどんどん取って最後を2人組にする方法と,2人組をどんどん取って最後を3人組にする方法です。ここで,
「本当に35人になっているかな。」
と投げかけ,その話からこの分け方を「かけ算」にしていきました。九九を超える範囲についてもある程度学習をしているようでした。
この後もう一度アレイ図を分けていく活動(アレイ図区切り)を入れた後,先の2つ以外の分け方をアレイ図と共に取り上げ,式にしていく活動をしていきました。最後に,
「共通していることは何かな。」
という発問をきっかけに,左のようにまとめられていきました。
ここまでの展開で私はいくつかの疑問を感じたので後の研究会でたくさん質問・意見させていただきました。1つは,「かけ算の式に表す必然性の弱さ」です。「本当に35人かな。」という発問でしたが,アレイ図には35人が間違いなく描かれているのだから疑う余地はないはずです。
もう一つは2回目の「アレイ図区切り」です。1回目で他の分け方もあったので,それを取り上げれば十分です。それなのに同じことをもう1回やったため,やたら区切り方にこだわる分け方遊びになってしまったことです。一番整然と分けられた2つのサンプルを見せられた後にやれば当然そうなってしまいます。
私の代案は,最初の2つの話し合いの後,別の分け方をアレイ図を使わず口頭で,右のように発表させる展開です。そうすれば,
「これって本当にあってるかな。乗り物の台数間違ってないかな。」
と,台数の方の確かめに話を持っていきます。するとかけ算を使ってその数で35人になっていることを確かめようとするでしょう。これならかけ算に表す必然性が生まれてきます。
かけ算の活用で「分ける」ことを取り入れた授業は初めて見ました。十分意味のある活動になっています。子どもたちもとても元気で自由に発言していたのが印象的でした。何より対面研究会なので,後の研究会でしっかり私の意見を伝えることができたのも久しぶりに充実感を得ることができました。ありがとうございました。