「割合を表す小数」を学習します。かけ算の場面でもあった内容ですが,小数で表された数値を「第1用法」に適応するなどさらに発展させた内容です。子どもたちにとっては大変難しい内容と言えます。
 実物のテープ(スケールもそのまま)を使います。4本を無造作に並べてそれぞれの長さをリアルに見せておきます。
 第1問は「緑の長さの0.75倍はどの色のテープですか。」です。子どもからは口々に反応がありますがその中に,
「ピンクは絶対違う。」
という言葉がありました。その理由は,
「0.75倍だから短くなるはず。ピンクは緑より長いから違う。」
ということです。このあたりは比較的イメージを持ちやすいようです。「第2用法」で思考できるところも大きいでしょう。但しここまで「わり算」ばかりをやってきたので戸惑っている児童がいたのも事実です。
 第2問は「ピンクは緑の何倍でしょう。」です。これは,もとにするものよりも長くなる場面なので,比較的容易にイメージできます。「関係図」を押さえて多くの児童が解決できました。
 ところが第3問になると,倍が1より小さくなります。途端にほとんどの児童が「2倍」にしてしまっているのです。少人数ですが「0.5倍」もあるのですが,
「どうやったらそんな数字になるの。式が分からない。」
などと言っている児童もいます。そこで,
「オレンジが0.75倍で,黒はそれよりも短いよ。」
とアドバイスを送ります。これで「はっ」とする児童と,それがどうした,という表情に分かれます。
 「関係図」を使って,先の問題の式に当てはめると「0.8÷1.6」になるのですが,それでも怪訝そうな雰囲気が感じられます。小さいものから大きいものを割ることにこれだけ抵抗感があるのです。それでも一番納得感が高かったのが,
「緑の2倍が黒」
という「言葉」に対して違和感があることです。この点については共通認識できました。
 教科書の練習題は,ここまでにやってきたことと,数字は異なりますが全く同じ考え方で進められるようにしています。それでも多くの児童が戸惑いながら進めていました。「割合」の難しさをストレートに感じた1時間となりました。

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